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「世界的なチップ不足」の影響は自動車業界だけにとどまらない

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Image Credit: Shutterstock

(ロイター)──世界中の企業と消費者が、前例のない半導体マイクロチップ不足に直面している。その影響は、自動車の納期遅れや、家電製品の供給不足、スマートフォンの価格高騰など多岐に及んでいる。

この状況は、さまざまな要因が重なって生まれたものだ。まずは2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中に工場を閉鎖していた自動車メーカーが、さまざまな領域に広がる家電業界と、チップ供給をめぐって競い合っている。パンデミック中に消費者がノートパソコンやゲーム機などの家電製品を買い込んだことで、在庫の余裕がなくなった。しかもこの春、消費者は業界関係者の予想を上回る数の自動車を購入し、さらに供給が逼迫した。

中国のテクノロジー企業に対する制裁も、危機の悪化を招いた。当初は自動車業界に集中していた影響が、今ではスマートフォンや冷蔵庫、電子レンジなどのさまざまな家電製品に拡大している。

製品にチップを使用するあらゆる企業が在庫確保に走っているため、チップ不足が生産能力を圧迫している。ほぼすべてのマイクロチップの最も安価な部品までコストが上昇し、最終製品の価格高騰につながっている。

自動車業界への影響

最近の自動車は、ますます半導体チップに依存するようになっている。例えば、燃費向上を目的としたエンジンのコンピューター制御や、緊急ブレーキなどの運転支援機能など、さまざまな機能がチップを必要としている。

半導体チップ不足の影響で、自動車メーカーの多くは、利益率の低い車の生産を縮小せざるを得なくなっている。フォルクスワーゲン、SUBARU、トヨタ自動車、日産自動車に加え、ゼネラルモーターズやフォード・モーターも生産縮小を発表した。

データ企業IHSマーキット(IHS Markit)によれば、自動車用半導体チップの不足は第1四半期、全世界で小型自動車130万台の生産に影響を及ぼした可能性がある。

自動車に使用されるマイクロコントローラー・ユニットに関して、世界市場の30%を占めるルネサスエレクトロニクスの工場で火災が発生し、状況がさらに悪化したとIHSは説明している。

また、米国テキサス州の冬が厳しいものになり、サムスン電子、NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)、インフィニオン・テクノロジー(Infineon Technologies)が工場を一時的に閉鎖した。両社は自動車用チップの主要サプライヤーであり、今回の混乱によって、自動車業界のチップ不足に拍車が掛かるとアナリストたちは予想している。

アジアの生産能力

この問題の根底には、主にアジアの企業が所有する8インチ・チップ製造工場への過少投資がある。5G携帯電話やノートパソコンの需要が予想以上に高まっているにもかかわらず、これらの工場は生産量を増やすのに苦労している。

サムスンの携帯電話にチップを提供しているクアルコム(Qualcomm)は、需要への対応に苦労している大手チップメーカーの一つだ。アップルの主要サプライヤーであるフォックスコン(Foxconn)も、チップ不足が顧客へのサプライチェーンに影響を与えると警告している。

現在、チップ生産の大部分がアジアで行われており、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)、サムスンなどの大手受託製造メーカーが何百ものチップメーカーの生産を引き受けている。米国の半導体メーカーは全世界のチップ販売の47%を占めているが、全世界のチップ生産のうち、米国で行われているのはわずか12%だ。

各国の対応

ウエハー製造工場の建設には、何百億ドルもの費用がかかる。また、工場の生産能力を拡大するだけでも、複雑なツールの適格性評価や試験などが必要であるため、最長1年の期間が必要となる。

ジョー・バイデン米大統領は、米国内のチップ製造を強化するため、370億ドルの財政支援を行う法案を成立させようとしている。

米国では現在、4つの新工場の建設が予定されている。アリゾナ州にインテルが2工場、TSMCが1工場、テキサス州にサムスンが1工場だ。

中国も、欧米技術への依存度を下げるため、チップ業界に数多くの助成を行っている。

 

この記事は、 VentureBeatでReutersが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。