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ヨーロッパで注目される、宇宙を利用した太陽光発電

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欧州宇宙機関(ESA)は2022年秋に開催される理事会で、加盟国に対し宇宙太陽光発電(SBSP:Space-based solar power)の試験的プログラムへの出資を募る見込みだ。

ESAの「ソラリス」プログラムは、宇宙太陽光発電によるクリーンエネルギーの供給と脱炭素化の推進という可能性を探求するものだ。欧州産業界の協力の下、技術的妥当性、メリット、導入オプション、商用利用の可能性、新興技術としてのリスク評価を行うとしている。

宇宙太陽光発電とは、静止軌道上に配置した巨大な太陽電池によって、太陽エネルギーを収集する技術だ。静止軌道は、高度2万2000マイル(3万6000キロメートル)の宇宙空間にあり、地球上からは軌道上の衛星が定点にとどまっているように見える。地球大気に遮られることがないため、地球上の太陽光発電よりも効率がよく、こうして生成したエネルギーを地上に伝送して利用することが想定されている。

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ESAはソラリスプログラムを、現在の気候危機への対応のひとつとして、またクリーンで安価、持続的かつ無尽蔵で安全なエネルギー源の候補と位置づけている。ESAは声明のなかで、2025年までに欧州のSBSP技術開発プログラムをさらに推進するかどうかの決定を下すとしている。

ESAのヨーゼフ・アッシュバッハー(Josef Aschbacher)長官は、2022年8月16日のツイートで「宇宙太陽光発電は、欧州のカーボンニュートラル化とエネルギー自給に向けた重要なステップだ」と述べた。「最近発表された2つの独立した研究は、深刻化するエネルギー危機の解決に向けたSBSP技術推進への投資を強く促している」

「地球上のエネルギー需要を満たすための宇宙太陽光発電」の費用便益分析を行った2つの研究は、いずれも8月に発表された

「SBSP技術の主要な構成要素は、すでに存在している。ただし明言しておくと、プロジェクトを成功させるためには、依然として大規模な技術開発と資金調達が不可欠だ」と、アッシュバッハーは述べている

ソラリスプログラムの提案書は、11月に行われるESA理事会に提出される予定だが、資金調達の目標額は明らかになっていない。このプロジェクトの最終目標は、2050年までの「炭素排出量ネットゼロ」という欧州の目標の実現に役立てることだ。

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SBSPというコンセプトの誕生は1960年代にさかのぼるが、最近になって多くの国々が関心を強めている。英国が今年に入ってSBSPへの関心を示したほか、中国は2020年代のうちに軌道上試験を行い、今世紀半ばまでにギガワット級の発電を実施するための足がかりとしたい考えだ。

米国でも、NASAがSBSP研究に関心を示しているほか、パサデナにあるカリフォルニア工科大学のプロジェクトは、ビリオネアの資金援助の下、すでに宇宙空間で太陽エネルギーを収集するためのハードウェアの開発に入っている。

クリーンで持続可能なエネルギーとして有望視される宇宙太陽光発電だが、今後は、技術的・経済的・政治的その他のさまざまなハードルに直面することになるだろう。

この記事は、SpaceのAndrew Jonesが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。