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田中貴金属工業が「AuRoFUSE™プリフォーム」を用いた半導体高密度実装向け接合技術を確立

~さらなる微細化と高密度化が求められる半導体の課題を解決し、オプティカルデバイス(光デバイス)やデジタルデバイスの技術革新へ貢献~

2024年3月7日

田中貴金属グループの中核企業として産業用貴金属事業を展開する田中貴金属工業株式会社は、金・金接合用低温焼成ペースト AuRoFUSE™(オーロフューズ)を活用した高密度実装向け金(Au)粒子接合技術を確立したことを発表いたします。

AuRoFUSE™は、サブミクロンサイズのAu粒子と溶剤のみで構成され、低電気抵抗かつ高熱伝導率に加え、低温で金属接合を実現する接合材料です。本技術では、AuRoFUSE™プリフォーム(乾燥体)を用いることで、20μmサイズで4μm間隙の狭ピッチ実装を実現しました。また、AuRoFUSE™プリフォームは、200℃、20MPa(メガパスカル)、10秒の熱圧着後で、圧縮方向に約10%の収縮率を示しながら水平方向への変形は少なく、実用化に十分耐えうる接合強度※1をもつAuバンプ※2として用いることができます。さらに、化学安定性に優れるAuを主成分としているため、実装後の高信頼性も持ち合わせています。

本技術は、半導体における配線の微細化・多種チップの集積(高密度化)を可能とする技術であり、 LED(発光ダイオード)やLD(半導体レーザー)といったオプティカルデバイス(光デバイス)をはじめ、パソコン・スマートフォンなどのデジタルデバイスでの活用や車載部品など、高度な技術革新が求められる先進技術への貢献が期待できます。
今後、本技術の市場認知拡大を目的として積極的なサンプル提供を実施してまいります。

なお、本技術は2024年3月13日~15日に東京理科大学で開催される「第38回エレクトロニクス実装学会春季講演大会」にて学会発表を行います。

※1接合強度:シェア強度(横方向に荷重を与える試験における強度)を指す
※2バンプ:突起状の電極

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