焼結金(Au)接合技術:AuRoFUSEプリフォーム
AuRoFUSE™を活用した高密度実装向け焼結Au接合技術
本技術は接合体を事前に乾燥させ流動性を失くすことで這いあがりを抑え、水平方向への広がりづらさから狭ピッチ接合を可能にしたものです。これまで5µmサイズのバンプ形成に成功しており、高密度実装が要求されるフリップチップボンディングへの活用が期待されています。
AuRoFUSE™プリフォーム 技術紹介
■特長
- ① 様々なサイズ、形状のAuバンプが作製可能
(最小実績:5µmサイズ、5µm間隔) - ② 多孔質構造を持った接合体のため圧縮変形能に優れる
- ③ 加圧時に水平方向への変形が少ないため、高密度実装が可能
- ④ 主成分がAuのため酸化やマイグレーションが発生しづらい
- ⑤ 比較的低い温度(200℃~)、大気下で接合が可能
- ① 自由な形状設計
- ② 高い圧縮性
- ③ 狭間隙のバンプ配置
③ 接合圧力を上げたときの形状変形率
■想定用途
光半導体(LEDやLD)、パワー半導体、IC向けのダイアタッチ材
■AuRoFUSE™プリフォーム作製方法
- ① 接合対象の基板へ下地層として、Au/Pt/Tiによるメタライズ処理を行う
- ② フォトレジストを、メタライズ処理後の接合対象の基板に塗布する
- ③ プリフォーム形状に合わせたフォトマスクを接合対象の基板にかざし、露光・現像しレジスト枠を作製する
- ④ 作製したレジスト枠にAuRoFUSE™を流し込む
- ⑤ 室温にて真空乾燥させ、乾燥後にスキージを用いて余剰のAu粒子をかき取る
- ⑥ 加熱による仮焼結の後、レジスト枠の剥離除去を行う
■AuRoFUSE™プリフォームと他材料との比較
(〇) AuRoFUSE™プリフォーム
- 接合前にペーストを乾燥させて流動性を失くすことで、横広がりを抑えることができ、高密度実装が可能
- 多孔質構造であることから変形が容易で電極間に高低差がある場合や、基板の反り、厚みの差がある場合でも接合が可能
(△)はんだ材料
- バンプピッチが微細になるにつれ、はんだ材料が熔融時に横広がりしてしまうため、電極間の接触によりショートする
(△)無電解めっき
- 狭ピッチを実現できるが、接合時に比較的高い圧力が必要であるためチップの破損につながる
AuRoFUSE™プリフォームは横広がりせず、めっきバンプに比べ柔らかい
■接合例: フリップチップボンディング
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Recommended condition
Pretreatment: UV ozonation, etc. Thermo-Compression: 200℃, 20MPa, 10sec. Post-Bake: 200℃, 60min.
■特性表
AuRoFUSE™ preform_200℃, 20MPa, 10sec | |
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電気抵抗率 (µΩ·cm) | 4.5 |
熱伝導率 (W/mK) | 200 |
ヤング率 (Gpa) | 57 |
シェア強度 (Mpa) | >30 |
CTE:線膨張係数 (ppm/K) | 14 |
下地膜 | Au/Pt/Ti, Au/Pd/Ni |