TANAKA Green Shield

TANAKA Green Shield

TANAKA Green Shieldのイメージ画像

ニッケルめっき加工による真空成膜装置部材の貴金属回収方法

当社が開発した、半導体の製造工程などで使用される真空成膜装置の防着板にニッケルめっき加工を施すことで、プラチナやパラジウムなどのPGMスパッタ膜の剥離を容易にする貴金属の新たな回収方法です。

「TANAKA Green Shield」について

本洗浄法は、スパッタリング装置・真空蒸着装置など主にSUS(ステンレス鋼)製の真空成膜装置部材に付着したスパッタ膜を剥離して貴金属を回収精製し、回収した貴金属と精密洗浄した部材を顧客に返却するリサイクルビジネスにおいて、独自技術である下地めっきのノウハウを活用しています。

  • スパッタリング装置
    スパッタリング装置
  • 真空蒸着装置
    真空蒸着装置

特長

  • 基材を傷つけることなくPGMスパッタ膜の剥離が可能
    防着板にあらかじめニッケルめっきによる下地加工を行うことで防着板使用後、防着板とPGMスパッタ膜との間に施したニッケルめっきコーティングのみを溶解します
  • 高いPGM回収率
    研磨時の飛散による貴金属の回収ロスの低減が見込めます
  • 環境負荷低減
    装置洗浄時に使用する洗浄剤の使用量減少が見込めます

TANAKA Green Shieldによる治具洗浄プロセス
TANAKA Green Shield 治具洗浄プロセス説明図

従来の下地加工との比較

アルミニウム溶射なし アルミニウム溶射あり TANAKA Green Shield
除膜方法 研磨剤を吹き付けることで付着膜を削り取る(ブラスト処理) あらかじめ防着板に下地加工されたアルミニウムを溶解し付着膜を剥離 あらかじめ防着板に下地加工されたニッケルを溶解し付着膜を剥離
下地加工 なし アルミニウム溶射 ニッケルめっき加工
洗浄可能膜種
洗浄コスト ×
貴金属回収率 ×
デメリット
  • 基材表面へのダメージが基材のライフサイクル低下につながる
  • 飛散による地金回収ロスが発生
  • 非溶射箇所の貴金属回収が困難
  • 溶射費用が高価

田中貴金属が提供する貴金属リサイクル事業は、限りある貴金属資源のリサイクルの推進と、サーキュラーエコノミーの実現に貢献しています。