- (*)Source: SEMI Industry Research and Statistics/TECHCET, April 2020
コアテクノロジー
「貴金属」と向き合い育んだ技術
ボンディングワイヤ製造により培った金(Au)や銀(Ag)、銅(Cu)、アルミ(Al)の極細伸線、貴金属コーティング、高純度溶解、マイクロ圧延等の先進的な金属加工技術。田中電子工業はこれらの技術を展開し、宝飾や医療、自動車、次世代通信、省エネルギー等の分野に貢献していきます。
■極細伸線
極細貴金属ワイヤの伸線加工を得意としています。伸線加工とはダイスと呼ばれる治具に金属材料を通してワイヤ状に細く加工する加工法。長年培ってきた独自の伸線技術により、数十枚ものダイスを使って繊細なワイヤ縮径を行い、最小で直径10umの貴金属ワイヤ伸線加工を実現。また、独自の巻取技術の組み合わせにより、5000m以上の長尺化した極細伸線を可能にしています。
■高純度溶解
独自溶解技術により添加元素をわずかにppmオーダーで添加した高純度合金の製造が可能です。
また独自の真空溶解技術により、高純度な材料提供を実現しています。伸線・熱処理プロセスの最適化により結晶組織を制御し、線径数十umの微細ワイヤ等においても、極めて均一性の高い製品を提供可能です。
■マイクロ圧延
圧延とは、回転するロールに金属材料を投入し、薄く平坦なリボン材等を製造する加工工程のこと。100~600umのワイヤを圧延する独自の技術で、スリット加工ではできなかった端面のバリがないリボン材の製造を実現。また、車載デバイス向けの高度な接合性へのニーズにも答えるべく、表面の凹凸を平均1um以下のレベルまで減らした鏡面圧延とボンディングワイヤと同等の表面清浄度管理にて、半導体品質の製品を提供しています。
■貴金属コーティング
弊社では半導体実装のあらゆるニーズに応えるために、独自のプロセスで加工した清浄なワイヤに貴金属コーティングを施すことにより、様々な機能を付加しています。
例えば、近年では銅ワイヤに貴金属のパラジウムをコーティングすることで耐酸化性・耐腐食性を飛躍的に向上することに成功しています。
世界トップシェアを支える製造工程
クリーンルームでの一貫生産
溶解から伸線、巻取までの全工程を徹底管理されたクリーンルーム内で実施しております。表面汚染が少なく、極めて清浄な製品を提供しています。
ボンディングワイヤ製造フロー
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1. 溶解する
高純度な金属と微量添加元素を溶解し、様々な機能を備えた合金素材を鋳造する工程
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2. 伸線する
ダイスと呼ばれる工具を用いて、金属を細く、ワイヤ状に引抜加工する工程
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3. 焼鈍する
焼鈍して結晶組織を変化させることで、ワイヤの硬さの調整を行う工程
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4. コーティングする
ワイヤ表面に貴金属をコーティングして、耐食・耐酸化など機能を付与する工程
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5. 巻き取る
製造したワイヤの傷を極限まで抑えながら、スプールにワイヤを巻き取る工程
田中電子工業の新たな挑戦
田中貴金属工業は新たな領域での価値創出を目指して、培ってきた技術で新たな分野に挑戦します。
For Medical
■医療用線材
柔らかい金ワイヤは、低侵襲治療のカテーテルやガイドワイヤーのマーカーに最適な貴金属ワイヤです。放射線治療の精度向上のため、X線を透過しにくく視認性が高い、高純度・高強度のAuワイヤを提供しております。
【特徴】
- ○高純度(99.99%以上)
- ○高いX線不透過性
- ○コンタミが少ない
- ○線径 10~100µm
- ○高い生体安全性(不安全な元素不使用)
※純度、線径等についてカスタムメイドも可能です。お気軽にご相談ください。
■Au極小ピン(φ60um×L55um)
高純度のAuワイヤは軟質のため細断による極小ピンの作製は困難です。当社のAuワイヤは、純度が99.99%でありながら、最小直径φ60umという極小ピンの製造が実現可能となります。テスト用少量サンプルのご用意が可能です。
【特徴】
- ○高純度(99.99%以上)
- 〇コンタミが少ない
- 〇切断長の公差が小さい
※本製品は開発途上品につき、合金を含む他の金属種、寸法等に関してはお問い合わせください。