高輝度LEDの限界をさらに引き上げたカギ

TANAKAの技術

さらに輝度を3%UP! 高輝度LEDの限界を引き上げた、そのカギは。のイメージ

さらに輝度を3%UP! 高輝度LEDの限界を引き上げた、そのカギは。

各メーカー担当者が日夜研究開発を行う「輝度」の向上。
その効果についてご紹介します。

注目されるLED。その中で重要視される「輝度」とは?

電力不足が憂慮される昨今、自動車メーカーや電気・機械メーカーでは夏場に休日操業、サマータイム、自家発電装置の導入、さらには自社・関連会社等の電球をLED電球に変えることで節電対策に取り組みました。その際、急激に注目される存在となったのが、消費電力が少ないLED(発光ダイオード)でした。 そのLEDにおいて重要なのが、各メーカー担当者が日夜研究開発を行う「輝度」の向上です。果たして、輝度を向上させることで、どのような効果がみられるのか。この点についてご紹介します。

研究開発者が重要視する「輝度向上」、その理由は。

LEDパッケージの基本構造

図にLEDパッケージの基本構造を示します。中央にあるのがLEDチップで、基板にダイボンド材を塗布してLEDチップを接着します。そして、LEDチップの表面に形成された電極と基板をボンディングワイヤでつなぎます。 LEDは、ボンディングワイヤを通して電気が流れる事で発光する仕組みとなっています。

最近、LED関連の用語として良く耳にするのが「高輝度LED」という言葉です。ここで言う「輝度」とは、LEDチップに電気を流して発光する光の強さを示しており、その明るさがLEDの特性として重要なポイントとなっています。現在ではこの「輝度」を少しでも向上させるため、研究開発が進められています。

LEDとその将来性を”ボンディングワイヤ”でつなぐ!

銀ボンディングワイヤ

銀ボンディングワイヤ

2011年、田中貴金属グループの田中電子工業は、その輝度を向上させる材料を開発し、市場にリリースしました。それが、”銀合金ボンディングワイヤ”です。 このワイヤは、特に青色LEDチップを用いたパッケージにおいて重要な450nm付近での反射特性に優れており、LEDチップをパッケージに実装する際このワイヤを使用することで、パッケージとしての光の取り出し効率が向上し、金製のワイヤに比べて輝度が3%アップするという特性が得られました。(当社比較)

反射特性

銀製のワイヤは、LEDのみならず半導体など幅広い用途で金ワイヤから置き換えることができます。また、銀価格は金価格に対して低いため、コストダウンにも大きく貢献することが可能です。 田中貴金属グループは、こうした貴金属が含まれる高機能材料の開発に日々取り組んでいます。