ガラス溶解装置用白金材料
苛酷な条件に耐えるガラス溶解装置を、ご要望の仕様で製作いたします。
高品位ガラス製造に用いられる白金装置用として、酸化物(ZrO2)分散型強化白金をラインアップしました。高温下における装置や部品の変形を低減し、装置寿命伸長に貢献します。白金ロジウム合金、白金金合金の分散強化材も準備しており、ご要望の仕様で製作いたします。
分散強化白金材
■特長
- 高温クリープ破断強度および高温引張強度が白金に比べ、飛躍的に向上
- 従来の白金材料と比較して、大幅な長寿命化を実現
- 通常より薄い白金でも同等性能をクリア
- 使用地金量の低減により低コスト化を実現
■用途
グラスファイバー製造用ブッシング、光学ガラス製造装置、電子部品用ガラス製造装置、薄板ガラス製造装置、クリスタルガラス製造装置 他
結晶組織の断面写真
酸化物分散強化白金
通常白金(溶解材)
- 酸化物分散強化白金の結晶組織のアスペクト比(縦と横の長さの比)は、通常白金(溶解材)に比べて大きいため、クリープ強度が飛躍的に高くなり、少貴金属化が図れます。
- 高温化での結晶成長を抑制します。
名称 | 組成 (wt%) | 融点 (℃) | 密度 (g/cm3) | ||
---|---|---|---|---|---|
Pt | Au | Rh | |||
Pt | 100 | - | - | 1768 | 21.45 |
T-1 Pt | 100 | - | - | 1768 | 21.45 |
PtRh10 | 90 | - | 10 | 1850 | 20.10 |
PtRh20 | 80 | - | 20 | 1885 | 18.80 |
nanoplat® Pt | 100 | - | - | 1768 | 21.45 |
nanoplat® R | 90 | - | 10 | 1850 | 20.10 |
nanoplat® BP | 100 | - | - | 1768 | 21.45 |
nanoplat® BPR | 90 | - | 10 | 1850 | 20.10 |
PtAu5 | 95 | 5 | - | 1738 | 21.30 |
【nanoplat® series】
- 1) nanoplat® Pt
高温下での結晶成長の抑制、および高温クリープ強度が高く、クリープ変形量の小さい特性を示す材料。主に光学用ガラス溶解装置等、PtRh合金が使用できない箇所で利用される。 - 2) nanoplat® R
高温下での結晶成長の抑制、および高温クリープ強度が高く、クリープ変形量の小さい特性を示す材料。
各種ガラス溶解装置等で利用される。 - 3) nanoplat® BP
nanoplat® Ptよりも高温クリープ強度が高く、クリープ変形量の最も小さい特性を示す材料。PtRh合金が使用できなく、高い強度が要求されるブッシングのベースプレート、スターラー、補強材等で利用される。 - 4) nanoplat® BPR
nanoplat® Rよりも高温クリープ強度が高く、クリープ変形量の最も小さい特性を示す材料。高い強度が要求されるブッシングのベースプレート、スターラー、補強材等で利用される。 - 5) nanoplat® PtAu5、nanoplat® PtAu5(CG)
ガラスとの濡れ性が悪い、PtAu5%をベースとした強化白金材料。高温下での結晶成長の抑制、および高温クリープ強度が高く、クリープ変形量の小さい特性を示すnanoplat® PtAu5、結晶の成長、および剥離がなく、主にビード皿用に開発したnanoplat® PtAu5(CG)。 - 6) nanoplat® Pt(OS)、nanoplat® R(OS)
PtRh10〜20%相当の高温クリープ強度を有し、結晶の成長を抑制した強化白金材料。強化白金材料の中で、クリープ変形量は最も大きく、熱疲労耐性も高い。 - 7) nanoplat® DT ※新強化白金材料
nanoplat® Ptと比較して、クリープ変形量、熱疲労耐性、および塑性変形能を改善した強化白金材料。
【nanoplat® series】高温クリープ特性相関図
【nanoplat® series】熱疲労特性比較