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チップボンディング用ハイブリッド焼結ペースト (elektronik industrie 12/2024)

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「elektronik industrie 12/2024」

SiCやGaN を用いたパワーエレクトロニクスでは、半導体と基板の接合に極端な要求が突きつけられます。高い熱伝導率と改善された機械的特性を持つハイブリッド焼結ペーストによって、例えばエレクトロモビリティや移動体通信での厳しい要求に耐える利用が可能になります。

炭化ケイ素 (SiC) や窒化ガリウム (GaN) のような材料を使用することで、ウェハーはますます薄くなり、出力密度は高くなります。エレクトロモビリティ用、移動体通信基地局用、それに大電力のスイッチングを伴う、その他多くの用途の半導体を製造しているメーカーでは、可能性の限界を押し広げています。

その際、ボトルネックとなるのは、半導体チップをボンディングする際に半導体と基板の接触を保証するペーストです。基板は回路基板やセラミックのこともあるものの、パワーエレクトロニクスでは大抵金属板です。ペーストは、両部品の機械的に確実な恒久的接合を、また、同時にチップから外部への熱の放散を保証します。

ボンディングには、様々なペーストを用いた様々な方法があります。ペーストは基板上に塗布または印刷され、その上に半導体チップが配置されます。このサンドイッチ構造物は加熱され、その際、各ペーストによって異なる、化学的および物理的プロセスが進行します。次いでワイヤボンディングによって電気接点が作られ、チップはハウジング内に封入されます。

チップボンディングの方法

チップボンディングには、従来技術として2つの方法があります。接着と焼結です。

接着: エポキシ樹脂または他の合成樹脂を材料とするペーストの場合、接合は接着樹脂の接着によって実現します。しかし、熱伝導率は低く、僅か数W/m・Kです。銀のような金属粒子をペーストに添加すると、熱伝導率は50 W/m・Kまで増加させることができます。しかし、それ以上は非常に困難です。熱は銀粒子の接触面を介して伝わるものの、接触面が金属的にしっかりと接合されていないからです。接着という方法は、今日では非常に広く行われており、発熱の少ないロジックチップに適しています。

焼結: ペーストには金属粉末と、焼結時に除去される溶媒のような有機成分が含まれています。ペーストは200 °Cから250 °Cで加熱され、そのことにより銀粒子は互いに結合し、また、基板およびチップと金属的に結合します。焼結に焼結: ペーストには金属粉末と、焼結時に除去される溶媒のような有機成分が含まれています。ペーストは200 ℃から250 ℃で加熱され、そのことにより銀粒子は互いに結合し、また、基板およびチップと金属的に結合します。焼結に際して、溶媒は蒸発し、気孔が銀の中に残ります。熱伝導率は非常に高く、200 W/m・Kを超えています。この方法はパワーエレクトロニクスでの利用に適しており、例えば電気自動車や移動体通信基地局の高電圧インバータに使用されるSiCやGaNのような半導体材料に最適です。