解決事例
貴金属削減ソリューション
激しい価格競争を勝ち抜くための新製品開発プロジェクト。
実現のカギとなったのは、「貴金属削減ソリューション」。
家電メーカーB社
価格競争が激しい家電市場において、製品の性能・品質面で勝負しているB社。しかし、これだけ低価格製品が氾濫し景気回復も見込めない状況下では、性能・品質面だけでは勝負はできません。
部品メーカーとの価格交渉は決裂…難航するプロジェクト
冷蔵庫や電話、テレビ等の家電メーカーB社の製品は、高いデザイン性や機能性、耐久性やユーザビリティといった性能・品質面に高い付加価値があると評判です。しかし、クオリティ面を追及するだけでは激しい価格競争の中を生き残ることはできません。そこで、経営陣は、低価格製品に対抗するため、B社製品の優位性である性能・品質面を更に強化することにしました。他社の低価格製品に、低価格で挑むためのナレッジをB社は持っておらず勝ち目はなかったので、製品価格を変えずにより高い性能や品質を目指すことにしたのです。
このプロジェクト担当に抜擢されたR&D部門のSリーダーは、無駄な部分のコストカットを行い、性能や品質アップの開発コストに充てようと考えました。まずは、現在使用している部品で削減できる部分がないか、試作品を作成し検討してみました。しかし、モデルチェンジ前の製品より、性能や品質が低下してしまいます。モデルチェンジ前より、性能や品質をアップさせなければ、このプロジェクト自体の意味がありません。
それぞれの部品メーカーの担当者とは、何度も価格交渉を行いました。しかし、部品メーカー担当者の回答は、「これ以上値段を下げることはできません。もとの製品でさえ、ぎりぎりの価格で、しかも、価格以上の品質で納品しているのに・・」
現在の製品コストを削減できないとなると、性能や品質を上げるためのコストはどのように捻出すればいいのだろうか。Sリーダーは、新たな方法を求め、Web上での検索、情報誌、取引先や同業者から情報収集しました。しかし、最適解はなかなか見つからず、新製品の開発は早くも行き詰ってしまいました。
金の使用料を従来比30%カットしたソリューション「少貴金属」
このプロジェクトを諦めきれずにいたSリーダーは、情報収集のため、ある展示会を訪れました。何気なく入った田中貴金属ブースで、“少貴金属”という貴金属削減ソリューションを知り、「これは使えるかもしれない」と思いました。後日、田中貴金属に連絡をとり、詳しく話を聞いてみることにしました。
田中貴金属の担当者によると、現在使用している貴金属の使用量を性能の低下なしで減らすことが可能だとの事。たとえば、貴金属を使用している部分を薄くしたり、他の貴金属に代替することにより、結果的にコストを削減するという内容でした。更には、設計段階からプロジェクトに入り提案してもらえるとの事だったので、最終的に、Sリーダーは、田中貴金属にお願いしてみることにしました。
3ヶ月経った今、田中貴金属の提案により、新製品に使用した金(Au)の使用量は従来と比べ30%削減することに成功しました。また、貴金属使用量削減によって捻出できたコストで、製品のスイッチ部品を小型化し性能アップを実現することができました。もちろん製品価格は据え置きのままです。このプロジェクトにより、他社製品と差別化できるようになったB社製品は、市場優位性を確保することができました。
もともと、貴金属は、産出量が少なく貴重な資源です。“少貴金属”により、貴金属の使用量を削減することができた今回のプロジェクトは環境保全の取り組みにもなり、企業の社会的責任も果たすことができました。
田中貴金属へ依頼したポイント
- ・貴金属の研究で長年蓄積した豊富なノウハウとナレッジ
- ・設計段階からプロジェクトに入り、提案してくれる
- ・グループ各社による幅広い製品ラインナップからの提案
- ・限りある資源“貴金属”のリサイクルによる高い有効活用