解決事例
半導体製造の主要材料一括発注
開発のスピードが一気に向上!早期の市場投入も可能に!
情報の共有・一元化を実現した「ワンストップサービス」。
半導体メーカーD社
次世代デバイス開発を妨げる、「NDA(秘密保持契約)」という障壁
大手メーカーの経営不振など、先が厳しい半導体業界。海外メーカーとの競争に勝ち抜くためには、高品質の製品をスピーディーに提供することが求められます。D社も、海外メーカーとの競争に勝ち抜くためにも、次世代デバイスをいち早く市場投入するよう、開発を急ピッチで進めていました。
材料も決まり、サンプルの作成も順調に進んでいたのですが、思わぬところに落とし穴があったのです。
「複数のサンプルが、不良となってしまったのです」
と、R&D部門のM氏は語ります。詳しく調べてみると、原因が無電解めっき膜の小さなボイド(穴)にあることがわかりました。基板に担持していた無電解めっき用の触媒とめっき液が適合せず、うまくめっき膜が形成されていなかったのです。
「めっきは下地依存性が大きく、無電解めっきを施すための触媒最適化が重要なことですから、すぐに改善する必要がありました」
M氏は仕入先であるメーカーに相談していくつか触媒を変更してもらったのですが、よい結果は出ませんでした。
そこで、M氏は別の触媒を他から調達するため、必要な情報を開示してよいかと先のメーカーに確認したのですが、メーカーは「NDAの問題もあり、詳細情報は開示できない」と情報提供を渋ったのです。
「ノウハウや契約に関わることなので、メーカーの言い分もわかるのですが・・・」
原因の追究ができないまま、開発が完全にストップ。開発納期が迫り、M氏は焦っていました。
材料供給はもちろん、連絡・対応の「ワンストップサービス」を実現。
ある日、M氏は一部の材料を卸しに来ていた田中貴金属の担当者に相談をしました。すると、
「今、別々にご発注されている材料は全て一括でお受けできますよ。一度改めてご説明に伺います」
というのです。
数日後、M氏は田中貴金属から材料のワンストップサービスについての提案を受けました。
「一般的に、素材メーカーによってメイン商材が異なるので、多くの会社が御社のように材料ごとに異なる会社で発注されています。この場合、材料に起因する問題が発生したとしても、それに応えられるエンジニアが不在となる場合が多く、それぞれに連絡を取るだけでも時間がかかってしまいます」
しかし、田中貴金属では、窓口である担当者に連絡すればそこから各エンジニアに連絡が行くため、そのような手間をまずなくすことができるということでした。
「プリカーサー」「ターゲット」「めっき」「接着剤」「ワイヤ」主要材を一括発注
さらに、
「田中貴金属は、半導体製造に欠かせないCVD/ALDプリカーサー・スパッタリングターゲット・めっき・ダイボンド用接着剤・ボンディングワイヤを同時に扱っている唯一のメーカーですので、ご要望にあったものをご提案、ご提供できます」
と、話してくれました。国内外にそれぞれ専門的に取り扱っているグループ会社があるため、特性情報などを一元管理できるとのこと。このため、もし材料に起因する不整合が発生したとしても、材料の特性や相性もすぐに確認できるため、前後のプロセスの関係性が明確になり、それぞれの担当が連携して問題を解決することができるということです。
「専門的なことはすぐにプロフェッショナルに確認できるので、開発スピードが上がりました」
とM氏。予定納期に間に合わせることができ、早期の市場投入も可能となったそうです。
「今までは守ることが精一杯でした。これからは、新しい製品を武器に新しい市場へ攻めることできます」
とM氏は未来を語ってくれました。