TANAKAの技術
理化学用実験器具の貴金属材料
田中貴金属の理化学用実験器具に使用される貴金属材料のラインアップを紹介します。
白金加工製品は、理化学用に限らず最先端技術分野で幅広く使用されており、産業界のさまざまな分野の技術開発、基礎技術研究で大きな役割を果たしています。今回は、田中貴金属の理化学用実験器具に使用される貴金属材料のラインアップを紹介します。
貴金属材料のラインアップ
- Pt・純Pt(白金)
- 高融点(1,768℃)であり、化学的安定性も高い材料です。また、展延性に富み、加工性も良いので、各種分析用るつぼなどに広く使用されています。
- T-1 Pt
- 純Ptに添加物を数ppm加えることにより、Ptの優れた化学的安定性や加工性を保ちながら強度を向上させた材料です。
- PtAu5(PtAu5%合金)
- 多くのガラスや酸化物との濡れ性がPtより悪いため、分析試料の取り外しが容易で、蛍光X線サンプル作製用ビード皿に多く用いられています。また、湯切りもよく、分析サンプルの残存による汚染が少ないのも特徴となります。固溶体強化しているためPt、T-1 Ptと比較して硬く強度が高いです。
- PtRh10(PtRh10%合金)
- Rhによる固溶体強化した材料であり、Pt、T-1 Ptと比較して硬く強度が高いです。加工性はPtとあまり変わらず、ほぼ同様の加工・成形が可能です。一部のガラスにRhが溶出することが知られており、熔融物の光学特性を変化させる可能性があります。
- PtRh10Au5(PtRh10%Au5%合金)
- PtAu5%合金同様に、ガラス等酸化物との濡れ性が悪いことが大きな特徴であり、ガラス等酸化物によってはPtAu5%合金以上に濡れ難い特性も示します。
- Au(純Au)
- 融点はPtより低い1,064℃です。Pt以上に化学的安定性が高い材料であり、展延性に富み、加工性も良いのが特徴です。
白金材料とガラスの濡れ性
濡れ性は、白金材料の種類、ガラスの種類、温度、雰囲気の組み合わせに依存します。