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そして、「Elements」は、わたしたちのビジネスや価値観に沿った「テクノロジー」や「サステナビリティ」といった
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急速にパラダイムシフトが起きる現代において、よりよい「社会」そして豊かな「地球」の未来へと繋がるヒントを発信していきます。
購入希望者のインサイトを基に、EVの未来について分析するTANAKAの新調査
米国ではEVブームが起きています。テキサス州オースティンに本社を置くEVメーカーのテスラは、世界で最も時価総額の高い自動車会社であり、カリフォルニア州アーバインに本社を置くリビアンは、EVトラックのフリートでEV市場にディスラプションをもたらそうとしています。現在、米国では約180万台のEVが道路を走行していますが、バイデン大統領は8月、2030年までに米国で販売される自動車の半分をEVにするという大統領令に署名しました。
この急速な成長はメーカーにとって、消費者をEVに向かわせ、EVを米国ドライバーの新たな標準とするための貴重な機会となります。しかし、ここで疑問が生じます。消費者は、本当はEVに対してどのような印象を持っているのでしょうか。また、現在の自動車用半導体の不足をはじめとしたサプライチェーン上の課題がある中で、自動車を購入することにどのような懸念を抱いているのでしょうか。
EVに関する消費者調査から明らかになった3つのことと、それがメーカーにもたらす意味
こうした疑問に答え、EVの将来性をより深く理解するために、2021年12月に米国の1,250人の消費者を対象として、自動車購入についての価値観や、EVに対する一般的な考えについて調査しました。その結果は以下のとおりです。
1. EVの購入を検討している人はガソリン車の購入を検討している人よりも多く、価格の低下に伴い潜在的な購入者はさらに増える可能性がある。
調査対象となった消費者のうち、今後1年間にEVの購入を検討していると答えた人は60%、ガソリン車の購入を検討している人は40%という結果になりました。このような消費者の意向から、過去10年間にEVが爆発的に普及したことを再確認できます。
今後1年間にEVの購入を検討している消費者の最大の懸念事項は、車両価格(回答者の62%)であり、地域に充電スタンドがないこと(44%)、自宅にEV充電スタンドを設置するための費用(42%)が続きました。さらに、車両価格に関する懸念は、今後1年間にEVの購入を予定していない消費者にも当てはまりました。EVの購入を検討していない人にその理由を尋ねたところ、「EVの価格が高過ぎる」(56%)という理由が最も多く挙げられました。
消費者が価格にこだわる中、メーカーが将来モデルの小売価格を引き下げられれば、EV市場はさらに成長する可能性があります。低価格のEVを生産できれば、すでにEVを求めている消費者だけでなく、現在はEV市場から外れている消費者からも収益を得ることができます。
2. 消費者はEVを購入できるまで待つつもりだが、車の必要性がEVの購入意欲を上回っている。
EVの購入を検討している人の41%が、現在の半導体不足をEVの購入における最大の懸念事項の一つとして挙げていますが、購入を見送る要因とはなっていないようです。実際、今後1年間にEVの購入を検討している消費者のうち、驚くべきことに98%が、現在の半導体不足のためにEVの購入を少なくとも3カ月間待ってもいいと回答しています。
現在の半導体不足のために、EVの購入をどのくらい待ってもいいと思いますか?
- 3カ月まで:17%
- 6カ月まで:32%
- 9カ月まで:21%
- 12カ月まで:19%
- 12カ月以上:9%
- 待てない:2%
しかし、潜在的なEV購入者の個人的なニーズは、最終的にはEVの購入意欲よりも優先されています。(上記で回答した)待ってもいいと考えている期間よりも長く待たなければならないようであればガソリン車を購入する可能性が高いと89%が回答しており、ガソリン車に落ち着く主な理由としては、家族のため(60%)と仕事のため(53%)が挙げられています。
EVメーカーは、潜在的な待機期間を短縮するために、サプライチェーンの俊敏性を向上させる方法を検討する必要があります。複数のサプライヤーからのデュアルソーシングや、国内と海外の両方の流通能力を備えたパートナーとの協力といった取り組みは、オペレーションを合理化し、出荷の遅れを最小限に抑える上で役立ちます。
3. 消費者がEVを購入したい主な理由は、燃料費の節約と環境保護である。
EV購入希望者がEVを購入したい理由のトップは、「燃料費の節約」(74%)と「環境面でより持続可能な交通手段の利用」(74%)でした。
また、「環境面で持続可能な交通手段の利用」は、現在の半導体不足のために、たとえ長く待たなければならないとしてもガソリン車を購入する可能性はないと考えているEV購入希望者にとっても優先事項の一つでした。これらの回答者の69%は、環境面でより持続可能な交通手段の利用が自分にとって重要であるため、ガソリン車を購入する可能性はないと答えています。
調査対象となった消費者は、持続可能な交通手段としてのEVを高く評価していますが、EVの製造プロセス自体もより持続可能なものにする必要があるでしょう。別の調査では、消費者の51%が、「商品を購入する際に、その商品が生産された場所が追跡可能で透明性があるかどうかを考慮する」と答えており、EVに乗ることで得られる環境面のメリットだけでは、環境意識の高い消費者のすべてを取り込むことはできないかもしれません。今後は、EVメーカーの製造プロセス全体が、消費者にとってより大きな決め手となる可能性があります。EVに使われている貴金属などのリサイクルを進めることで、サプライチェーンをより持続可能なものにしていくことが求められるでしょう。
EVの未来へ向けて
EVの急速な成長と革新が業界を席巻している今、EVにとってはエキサイティングな時代といえます。しかし、EV市場の進化に伴い、消費者の要求に応え続けるためのオペレーションの調整が必要になってきます。ここでは、TANAKAがEVメーカーに提供するサービスの一部をご紹介します。
- 包括的なリサイクルプログラム
使用済み金属スクラップから貴金属を抽出・精製し、新型EVなどのさまざまな工業製品に再利用する、統合型のワンストップリサイクルシステムを導入しています。TANAKAは、ロンドン金市場の登録認定機関LBMAが世界で5社のみを任命した、金および銀の溶解業者の審査を行う公認審査会社です。適切なリサイクルを行うことで、EVの購入者が重視する環境負荷の低減や、貴金属の安定供給に貢献します。
- 国内と海外の流通能力
米州、欧州、アジアに合計97の拠点(工場、営業所など)を有しています。予期せぬ事態が発生した場合、国内と海外の流通能力により、お客様のサプライチェーンの俊敏性を維持し、オペレーションを継続できるよう安定供給に努めます。
- EVのニーズに応える材料開発
TANAKAはEV業界に早くから参入しており、EVメーカーのお客様と共に常に新技術の開発初期段階から携わっています。リチウムイオンバッテリーの接続やパワー半導体で使用されている高品質のボンディングワイヤを多くの自動車メーカーに提供しています。これからも未来のモビリティ需要に応えるべく材料の研究開発を続けていきます。
TANAKAは、グロバールなネットワークと高度なリサイクル技術によって安定した貴金属材料の供給に努め、お客様のオペレーションの合理化と将来の成長を実現するお手伝いをさせていただきます。