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「体内電源」の期待を背負う“金の糸”

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米ジョージア工科大学と韓国・高麗大学校(Korea University)は共同で、次世代の体内埋め込み型医療機器に電力を供給できる可能性がある、安全で強力なバイオ燃料電池の研究を進めている。

共同研究チームが開発したグルコース(ブドウ糖)を燃料とする燃料電池は、この種の機器に必要な、かつてないレベルの効率性を実現させるために、金を埋め込んだ綿繊維を使っている。

金ナノ粒子が埋め込まれた綿糸は、グルコースオキシダーゼ(グルコース酸化酵素)のコーティングが行われることで、生体適合性を持ち、かつ非常に安定した高導電性電極となる。グルコース酸化酵素を電極に密接して配置することにより、燃料電池の効率性が高まるという。

ジョージア工科大ウッドラフ機械工学研究科のアシスタント・プロフェッサー(助教授)、イ・スンウ(Seung-Woo Lee)は、「この電池は、体内にあるグルコースの化学エネルギーを電気エネルギーに変換する常時電源として利用できる可能性があります」と述べる。「1層ごとに付着させる技術を用いることで、金ナノ粒子と酵素の両方の付着を正確に制御することが可能になり、燃料電池の電力密度が飛躍的に向上します」

以下に、Georgia Techリリースからの詳細情報を転載する。

電極の製造は、多数の親水性微小繊維(水酸基を持つセルロース繊維)で構成される多孔質綿繊維から始まる。次に、直径約8ナノメートルの金ナノ粒子を、有機リンカーを用いて綿繊維に結合させる。

グルコースを酸化するアノード(負極)を作るために、研究チームはグルコース酸化酵素を、TREN(アミン修飾された小分子)と交互に層状に塗布した。

酸素還元反応が起こるカソード(正極)には、金で覆った電極を用いた。この電極には電極触媒機能がある。

「酵素の塗布は正確に制御しています」と、イ助教授は説明する。「非常に薄い層を形成させ、導電性基材と酵素との間の電荷輸送を向上させています。電子の輸送がより容易になるように、各素材の間隔を非常に接近させて接続しました」

「ネイチャー・コミュニケーションズ」誌に掲載された研究論文:「High-power hybrid biofuel cells using layer-by-layer assembled glucose oxidase-coated metallic cotton fibers

大学プレスリリース:ジョージア工科大学

 

この記事は、Medgadgetの編集部が執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。