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脳で直接「イイね!」できる時代が到来する?
(Bloomberg) ──世界最大のソーシャルネットワークであるフェイスブックが、動作を意思するだけでデジタルアバターを操作できるソフトウェアを開発する新興テック企業、CTRLラボ(CTRL-Labs)の買収で合意した。取引についてよく知る人々によると、フェイスブックは5~10億ドルを支払うという。
4年前に創設された非公開企業であるCTRLラボは、数十人の従業員を抱え、ベンチャーキャピタルから数千万ドルを調達してきた。リストバンドを利用して、被験者の腕でニューロン活動を測定。実際に動かしていなくても、頭に思い描いている動きを判断する。測定されたニューロン活動は、デジタル画面上の動きに変換される。フェイスブックは、買収金額についてコメントを避けた。
CTRLラボの技術のようなものは将来、ボタンやキーボード不要でコンピューターを操作したい拡張現実(AR)メガネのような製品にとって不可欠になるかもしれない。CTRLラボのトーマス・リアドン最高経営責任者(CEO)は2018年12月、業界のカンファレンスで、「両手はポケットに突っ込んだり、身体の背後に回したりしていられる」と説明した。アバターを操作するのは、「動作そのものではなく、動かそうとする意思の力だ」という。
フェイスブックは、ハンズフリーのARメガネの開発など、AR技術への進出を進めてきた。2017年には、将来的に脳信号のモニタリングによって、思考を画面上の文字列に変えられる可能性がある「脳コンピューター・インターフェイス」を発表した。CTRLラボの技術は、同様の問題を解決しようとしている。
フェイスブックでAR及び仮想現実(VR)部門を率いるアンドリュー・ボズワースは、買収合意を発表する投稿で次のように書いている。「リストバンドがそうした神経信号を解読して、機器が理解できるデジタル信号に変える。意図を把握するので、わずかに動いたり、動こうとしたりするだけで、友人と写真を共有できる」
今回の買収を行うフェイスブックは現在、米国で2件の独占禁止法違反関連調査を受けているという困難のさなかにある。こうした調査は、フェイスブックが行うすべての買収について、当局の厳しい監視の目にさらされることを意味する。フェイスブックがすでに強大すぎるかどうかが問題にされているからだ。
フェイスブックの広報担当者は9月23日に発表された買収合意について、「CTRLラボとフェイスブックは競合相手ではない。フェイスブックは今のところ、こうした技術を保有したり製造したりしていない」と述べ、規制当局と協力し、必要とされる承認を得るようにすると付け加えた。「CTRLラボの技術は革新的な入力装置であり、数年後には、フェイスブックの将来的なAR/VR体験を大幅に向上して、ユーザー体験を本質的に改善するのに利用されると期待している」
クランチベース(Crunchbase)によると、ニューヨークを拠点とするCTRLラボは6700万ドルを調達している。投資企業リストには、スパーク・キャピタル(Spark Capital)、グーグルのGV、アマゾンのAlexaファンド、ファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)など、著名な企業がそろっている。
CTRLラボの従業員は、AR/VR製品に取り組むフェイスブックの「リアリティ・ラボ(Reality Labs)」チームに加わる。
当記事執筆者の連絡先:Kurt Wagner(サンフランシスコ):kwagner71@bloomberg.net
当記事担当編集者の連絡先:Jillian Ward:jward56@bloomberg.net)、Andrew Pollack
©2019 Bloomberg L.P.
この記事は、Bloombergのカート・ワグナーが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。