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ボルボ、ブロックチェーンでコバルトのサプライチェーンを追跡へ
(Bloomberg) — スウェーデンのボルボ・カーが、ブロックチェーン技術を利用し、バッテリーに使われるコバルトの出どころを追跡しようとしている。児童労働や非倫理的な労働環境で産出されたコバルトを避けるためだ。
リチウムイオン電池に不可欠なコバルトは、主にコンゴで産出されている。2018年には、年間産出量の3分の2以上をコンゴが占めていた。
商社のダートン・コモディティーズ(Darton Commodities)によれば、コバルトは主に大規模な鉱山で採掘されているが、約17%はカタンガ地域南東部で何千人もの労働者が手掘りし、中間業者に販売しているという。中間業者に渡った時点で、倫理的に採取されたコバルトかどうかを見分けるのは難しくなる。
ボルボの調達責任者マルティナ・ブフハウザー(Martina Buchhauser)は、「われわれは常に、原料の倫理的なサプライチェーンを維持しようと尽力している」と述べる。「ブロックチェーン技術の導入によって、われわれは次の段階に進むことができる。サプライヤーと緊密に連携し、サプライチェーンの完全なトレーサビリティーと関連リスクの最小化を目指している」
中国の浙江吉利控股集団(ジーリー・ホールディンググループ)が所有するボルボは2019年10月、同社初の完全な電気自動車(EV)「XC40 Recharge」を発表。2025年まで毎年新たなバッテリー式EV(BEV)を発表すると約束している。顧客のニーズと、厳格化する排出ガス規制の要件を満たすためにEV技術の開発を進めるメーカーのひとつとなっている。
ボルボのバッテリー調達先は、中国のCATLと韓国のLG化学(LG Chem)だ。2019年には両社と、コバルトの追跡を開始するための契約を結んだ。
ブロックチェーン技術では、トランザクションデータが変更不可能なかたちで保存される。このため、採取が人権侵害や危険な労働環境と結び付けられることがあるタングステンやダイヤモンドといったコモディティの出どころを明らかにするための用途が増えている。
自動車業界は化石燃料からの移行期にあり、新しい倫理的な課題に対処せざる得なくなっている。BMWは2019年、次世代EVの原料調達に責任を持つため、オーストラリアとモロッコの鉱山から直接コバルトを購入すると発表した。
ボルボによれば、CATLおよびLG化学との契約内容は、ボルボと、同社が50%所有する「ポールスター」ブランドのEVを対象に、10年間にわたってバッテリーの供給を受けるというものだ。
CATLのサプライチェーンでは、サーキュラー(Circulor)とオラクル(Oracle)がブロックチェーン技術を運用する。LG化学については、フォード・モーター(Ford Motor Co.)が支援するイニシアチブにボルボが参加し、RCSグローバル(RCS Global)およびIBMとともにコバルトの供給を追跡する。
当記事執筆者の連絡先:Niclas Rolander(ストックホルム):nrolander@bloomberg.net
当記事担当編集者の連絡先:Anthony Palazzo:apalazzo@bloomberg.net)、Andrew Blackman、Andrew Noël
©2019 Bloomberg L.P.
この記事は、BloombergのNiclas Rolanderが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。