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「エヌビディア+メルセデス」はテスラの独走を止めれるか

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エヌビディア(Nvidia)は6月23日、2019年1月に発表していたメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)との提携拡大に言及し、車載コンピューティングシステムとAIインフラストラクチャーを2024年から本格展開する計画を明らかにした。両社によると、このプラットフォームはメルセデス・ベンツの次世代車両シリーズ全体に展開されるもので、アップグレード可能な自動運転機能を導入するという。

エヌビディアとメルセデスは、以前から提携関係を築いてきた。2018年のCESでは、車載インフォテインメントシステムに人工知能(AI)を取り入れたコンセプト・コックピット「MBUX」(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンスの略)を披露。2018年7月には、ボッシュ(Bosch)とともに、サンノゼでロボタクシーサービスを共同運営する計画を発表した

エヌビディアがメルセデス向けに設計するシステムは、エヌビディアのDRIVE製品をベースにしたもので、2地点間の設定されたルートの自動運転が可能になる。さらに、テスラ(Tesla)とよく似た車載無線システムで、車内の安全、利便性、娯楽、サブスクリプション形式のアプリやサービスをダウンロードできるようになる。

Nvidia Mercedes-Benz self-driving

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この新しいプラットフォームは、エヌビディアのDRIVE AGX Orinによって稼働する。これは、既存のAGX Driveプラットフォーム(DRIVE AGX XavierおよびDRIVE AGX Pegasus)と併用され、ISO 26262 ASIL-Dのような安全基準を満たしながら、多数のアプリやAIモデルを動かすことができる。

Orinの心臓部は、170億個のトランジスタを集積したシステム・オン・チップで、エヌビディアのGPUアーキテクチャーと、Arm(アーム)のCPUコア「Hercules」が実装されている。これらを補完するのが、AI・機械学習用のアクセラレーターコアで、1秒当たりの演算能力は200兆回(200TOPS)。Pegasusは320TOPS、Xavierは30TOPSだ。データ転送レートは200Gbps以上。消費電力は、(200TOPSで)わずか60~70ワットだ。

このプラットフォームには、DRIVEの中核において、各車種にアクセスできるという利点もある。エヌビディアは、信号や標識の認識、車両や歩行者の識別、進路認識、視線検出、ジェスチャー認識などのタスクに合わせたAIサブシステムを用意する予定。エヌビディアのブログで取り上げられたある車種は、道路状況から抽出した信号を使い、ハイビーム用の出力を自動的に制御できる。

DRIVEのモデルはすべて、エヌビディアが新たに公開したツールセットでカスタマイズ・強化できるため、機械学習の手法を用いた訓練が可能だ。例えば、能動学習(active learning)を用いれば、AIでデータ選択を自動化することで、精度の向上とデータ収集コストの削減を実現できる。連合学習(federated learning)を用いれば、データのプライバシーを維持しながら、国をまたいでほかの関係者とデータセットを共有できる。転移学習(transfer learning)では、事前訓練と微調整を利用し、特定のアプリや機能のモデルを開発できる。

Nvidia Mercedes-Benz self-driving

エヌビディアとメルセデスは、レベル2とレベル3の自動運転が可能な、AIおよび自動運転車アプリケーションを共同開発する予定だ。また、最大レベル4の自動駐車機能も共同開発する。自動車技術者協会(Society of Automotive Engineers)によれば、レベル2では、システムが車両を完全に制御するが、運転者はいつでも介入できるよう準備しておく必要がある。レベル3では、運転者は安全を確認したうえで、運転から注意をそらすことができる。レベル4では、運転者が安全を確認する必要もない。

エヌビディアとメルセデスの自動運転プラットフォームが発表される前には、フォード(Ford)も、テスラのオートパイロットのライバルとなる自動運転システムを披露している。まずは「マスタング・マッハE」に搭載し、その後、新型「F-150」をはじめとする2021年モデルに拡大していく予定だ。「アクティブ・ドライブ・アシスト」と名付けられたこのシステムは、地図が用意されている道路を対象に、カメラとレーダーで、車両速度やステアリングを制御するものだ。

ゼネラルモーターズ(GM)も、半自動ハイウェイ・アシストシステム「スーパークルーズ」を、2021年までに10車種、2023年までに22車種に拡大すると約束している。

 

この記事は、VentureBeatのKyle Wiggersが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。