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排気ガスに含まれる3つの有害ガスを無害化する「自動車触媒」

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自動車触媒の世界市場規模は、2020年には136億3000万米ドル(約2兆260億円)だったが、2028年までに4.30%の年平均成長率(CAGR)で成長し、192億2000万米ドル(約2兆8600億円)に達すると見られている。売上拡大を引き続き推進するとみられる主な要因は2つある。環境汚染を巡って政府が厳しい規制を課していることと、自動車の排出ガスを最小限まで抑制する自動車触媒への需要が高まっていることだ。

自動車触媒は、排気ガスに含まれる3つの有害な化学物質を、無害な分子に変換することができる。3つの有害物質とは、一酸化炭素(CO)、燃え残ったガソリンを含む炭化水素(HC)、そして窒素酸化物(NOx)だ(窒素酸化物は、エンジンの熱によって、空気中の窒素と酸素が反応して発生する)。コンバーターで使われる触媒は、プラチナとパラジウムでできており、セラミック製の蜂の巣構造(ハニカム)上か、粒状の担体(ペレット)上に塗布されている。コンバーターは、排気管に接続される。触媒の力を借りることで、一酸化炭素は二酸化炭素へ変換され、炭化水素は二酸化炭素と水に姿を変える。また窒素酸化物も、このプロセスを通じて、元の酸素と窒素に戻る。

各国政府は、自動車の燃料と排出に関する規制を厳格化することで、大気汚染を軽減し、人々の健康を守ると約束している。

自動車触媒の主な用途は、小型自動車と大型自動車の2つだ。規制はそれぞれで異なっており、一般的には小型自動車を対象とした排出ガス規制のほうが緩い。地域ごとに特有の要件があり、米国では環境保護庁(EPA)が排出ガス規制の権限を持ち、欧州には「ユーロ基準」と呼ばれる排出ガス規制がある。中国とインドでもそれぞれ基準が設けられており、ほとんどは欧州の排出ガス基準に近い内容だ。

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レポートが示唆する、他の主な考察

市場における主要企業は、ジョンソン・マッセイ(Johnson Matthey)、ユミコア(Umicore)、BASF、クラリアント(Clariant)、インタラクト(Interakt)、カミンズ(Cummins)、CDTiアドバンスト・マテリアルズ(CDTi Advanced Materials)、ヘレウス(Heraeus)、テネコ(Tenneco)だ。

2018年の売上が製品カテゴリー中で最大となったのは三元触媒コンバーターで、売上額は55億5000万米ドル(約8250億円)に上った。予測期間中の年平均成長率は5.2%と最速である。三元触媒コンバーターは、二元触媒よりも二酸化窒素(NO2)と酸化窒素(NO)を削減する力が強いこともあり、二元触媒と比べて普及がずっと進んでいる。そうしたことが売上にも結びついている。

政府による排出ガス規制と、自動車の生産量増加の2つが、自動車触媒市場の拡大を支えている。自動車メーカーは、厳格な規制ルールをクリアするため、排出制御技術を搭載した自動車を開発している。一方で自動車触媒市場は、電気自動車の生産増加と普及拡大がその妨げの要因になっている。市場拡大をさらに妨げているのが、自動車触媒に使われるプラチナやパラジウム、ロジウムなどの貴金属にかかる多額のコストだ。その一方で、発展途上国で政府が取り組む汚染防止策や、燃費向上に向けた排出技術のイノベーションにより、自動車触媒市場が顕著に成長する見通しもある。

ディーゼルや重油、ガソリン、バイオディーゼルといった燃料の燃焼を理由に、非常に多くの国々で、汚染物質を含む自動車の排出ガスを対象にした厳格な規制が定められてきた。欧州連合(EU)指令にもとづいて2014年に導入された現行の欧州基準「ユーロ6」は、自動車排気システムから吐き出される一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)、炭化水素などを含む有害なガスを最小限に食い止めることを目的としている。自動車触媒が使われている触媒コンバーターは、エンジンが排出する有害ガスを、できるだけ害の少ない汚染物質へと変える排出ガス制御システムだ。触媒は、自動車の排出ガスに求められる基準を順守するためのものだ。結果的には政府による厳しい公害規制があることで、自動車触媒市場は拡大している。

製品タイプ別の見通し(重量:キロトン、売上:10億米ドル、2018年から2028年)

  • 二元触媒コンバーター
  • 三元触媒コンバーター
  • ディーゼル酸化触媒

原材料タイプ別の見通し(重量:キロトン、売上:10億米ドル、2018年から2028年)

  • ロジウム
  • プラチナ
  • パラジウム

エンジンタイプ別の見通し(重量:キロトン、売上:10億米ドル、2018年から2028年)

  • ディーゼル
  • ガソリン
  • その他

用途別の見通し(重量:キロトン、売上:10億米ドル、2018年から2028年)

  • 大型自動車
  • 小型自動車

地域別の見通し(重量:キロトン、売上:10億米ドル、2018年から2028年)

  • 北米
  • 欧州
  • アジア太平洋
  • 中東アフリカ
  • 中南米およびメキシコ

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この記事は、TechBullionのBiswas Debanjanが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。