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超・ローカルな気象観測所に変身する自動運転車

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Top Image: ウェイモ

天候の変化が、人の移動に影響を与えることがある。その意味では、自動運転車も人間とそう違いはない。厳しい天候は、自動運転車に困難をもたらす可能性があるのだ。

例えば、濡れた路面の反射によってカメラの映像が乱れたり、霧や霞による路面の汚れや結露でセンサーが混乱して車が周囲の状況を正確に認識しにくくなったりすることがある。また雪や雨が降れば、タイヤのグリップが悪化して車の走行に影響を及ぼす。

そこで、グーグルの親会社アルファベット傘下で自動運転車を手がけるウェイモは、こうした障害を取り除くための計画を立てている。これは、自動運転車を操作するためのコアシステムである「ウェイモ・ドライバー」を移動式の気象観測所として利用し、走行場所の詳しい状況を把握するというものだ。ゆくゆくは走行中に、より適切な判断を下せるようにしたいとウェイモは考えている。

気象データは通常、地上の観測所レーダー気球人工衛星、さらにはロボットなど、さまざまな情報源から収集される。その後、コンピューターがこれらのデータポイントを組み合わせて、気象予測モデルの構築に取りかかる。

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だが、都市の構造や立地のせいで問題が複雑になることがある。ニューヨーク市のような都市部では、林立する高層ビルや緑地帯によって、街区ごとに天候が変わる可能性があるのだ。また、サンフランシスコ市では悪名高い霧が現れたり消えたりする度に、気候に局所的な影響がもたらされることがある。

ウェイモの技術チームは2021年、霧の多いサンフランシスコの街なかを簡単に移動できるようにするため、車載レーダーに改良を加えてマイクロ波で霧の速度を測定し、その状況を把握できるようにした。

また、障害となる水滴や汚れをセンサー表面から除去する、センサークリーニングシステムを構築した。さらに、車のルーフに動物の角のような形の装置を取り付け、霧に関する濃度などのデータを収集する移動式の気象観測所として利用できるようにした。こうした各種センターの改良により、車が周囲の局地的な気候、いわゆる微気候を測定し、状況に応じて運転操作を調整できるようにしたのだ。

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ウェイモの技術チームが2022年11月14日に投稿したブログによると、窓の状態(雨粒が付いているかどうか)に関するデータや車載カメラ、レーダー、LiDAR(ライダー:離れた場所にある物体の形状や距離を、レーザー光を使って測定するセンサー技術)のデータを気象可視センサーの情報と統合することで、新たな「気象視認性に関する定量的指標」を作り出すことができたという。その結果、ウェイモ・ドライバーでこの指標を利用して、「走行中のリアルタイムの気象や環境の状態に関する推定値を生成」できるようになった。

この技術はすでに、ウェイモが作成したサンフランシスコ市向けの霧マップで実用化されている。また、将来的には「他の都市向けの同じような気象マップ」を作成するつもりだと、ウェイモは述べている。

この投稿「Self-driving cars are turning into hyperlocal weather stations」は、 最初にPopular Scienceに掲載されました。
この記事はPopular Scienceに掲載されました。

この記事は、Popular ScienceのCharlotte Huが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。