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壁や天井をよじ登る「スパイダー犬」発明される
MARVELはその名のとおり、驚異的なロボットだ。Top Image Credit:KAIST
拡大を続ける「ロボット犬」産業には、愛憎入り交じった感情を抱きやすい。一方では、多くのロボット犬は本物の犬に負けないくらいかわいくて敏しょうであり、他方では一部のロボット犬は頭に銃を装着している。
とはいえ、ロボット犬の最新の偉業をどう受け止めるかは判断に迷う。何しろ、壁を登ったり、天井を歩いたりできるようになったからだ。この偉業を達成したのは、韓国科学技術院(KAIST)の研究者たちだ。彼らは、2022年12月14日付で「Science Robotics」に発表した論文で、ロボット犬MARVELについて詳述している。MARVELは「Magnetically Adhesive Robot for Versatile and Expeditious Locomotion(磁力で吸着しつつ、多様な場所を迅速に移動するロボット)」の略だ。4本の脚の先端に、磁性流体エラストマー(MRE)という新しいスマート素材が付いており、名前通りにMARVEL(驚異的)な機能を持つロボットだ。MREは、ゴムのような粘性と弾力性を持ちながら、カルボニル鉄粉などの成分によって電磁力を伝導する。
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「Futurism」でも指摘されているように、MARVELはすでに、平らな金属の壁や天井をそれぞれ秒速1.6フィート(約0.5メートル)、秒速2フィート(約0.6メートル)で移動できる。また、金属製貯蔵タンクの曲面(厚さ0.3ミリの塗装が施され、錆びとほこりが付いている)にも対応可能だ。さらに、幅10センチの隙間、高さ5センチの壁といった障害物も乗り越え、床、壁、天井を簡単に行き来できると論文には書かれている。
そのため、産業の現場や大型船、橋、高層ビルなど、人間にとって危険な場所での検査に活用できる可能性を秘めている。大きさは小型犬くらいで、体長約13インチ(約33センチ)、体重18ポンド(約8キロ強)。携帯性に優れ、楽に扱うことができる。
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人間にとって難しい、あるいは危険な環境で活躍するロボットの設計において、研究者が動物からヒントを得るケースが増えている。2つの翼で鳥のように飛行し、1つのかぎ爪で止まり木に着地するロボットまで開発されているという。こうした能力はMARVELと同様に、人間にとって難易度の高い遠隔地や危険な場所へのアクセスに最適だ。どちらのロボットも実用化はまだ先だが、将来、動物のようなロボットと日常的に触れ合う時代が来ることは間違いないだろう。
この記事は、Popular ScienceのAndrew Paulが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。