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ChatGPTを生み出したOpenAI、人型ロボットを開発中
物理的な領域へ
ChatGPTで圧倒的な成功を収めたOpenAIが、同社の汎用的な大規模言語モデルに物理的な身体を与えたいと考えているようだ。今、人型のロボットワーカーの製作に資金を投じている。
New Atlasが報じたところによると、OpenAIは、ノルウェーのロボット企業1X(旧社名はハロディ・ロボティックス)への投資を行ったという。具体的には、2023年3月末にOpenAIスタートアップ・ファンドを通じて資金調達ラウンドを主導し、2350万ドル(約32億4000万円)の資金を確保した。
1Xの創設者でもあるベルント・オイヴィンド・ボルニヒ(Bernt Øyvind Børnich)最高経営責任者(CEO)は、声明の中で次のように述べている。「OpenAIがこの資金調達ラウンドを主導したことは、当社にとってエキサイティングな出来事だ。なぜなら、新しく生まれた技術を人々の日常生活にうまく取り込むというミッションにおいて、両社は一致しているからだ」
「投資家からの支援を受けて、我々は今後もロボティクスの分野で大きな進歩を実現し、世界の労働市場を強化していく」
2回目の挑戦
OpenAIにとって、ロボティクスへの横展開的な投資は注目すべき変化だ。同社は、2021年に自社のロボティクス部門を閉鎖して以降、機械的なものから遠ざかっていたからだ。有名な話だが、初期における同社のロボティクス分野への参入は、ルービックキューブを自力で完成させられるハンド型のロボットだった。これは面白くて印象深い偉業だったが、現在急速に成功を収めている同社のジェネレーティブAIに比べれば、明らかに見劣りする。
今のところ、ロボティクスにおけるOpenAIと1Xの提携について、詳しいことはわかっていない。ただ1つ明らかな点があるとすれば、それは両社が労働市場を根底から覆す取り組みに尽力しているということだ。
OpenAIの最高執行責任者(COO)で、今回の資金調達ラウンドを主導したブラッド・ライトキャップ(Brad Lightcap)氏は声明の中で、「1Xは、安全で高度なロボティクスの技術を利用して労働力を増強する(augment labor)取り組みの最前線にいる」と述べている。「OpenAIスタートアップ・ファンドは、1Xが未来の仕事にもたらしうるアプローチと影響の価値を確信している」
「労働力の増強」という言葉は不適切かもしれない。このような言い回しは、人間にとって煩わしい仕事をロボットに引き受けさせようという本音を隠そうとしているようにも聞こえる。だが、これは驚く話ではない。OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEOは、人間の知能を凌駕し、かつ「全人類に利益をもたらす」万能の汎用的なAIを創り出すことを声高に主張してきたからだ。
身体化されたGPT
OpenAIと1Xの提携がどういったものになるのかはまだわからないが、早ければ「2023年夏」にはヒントが得られるかもしれない。1Xが、「NEO」と呼ばれる二足歩行ロボットをついに発表することになっているからだ。
1Xによれば、このロボットのセールスポイントは、「AIの身体化」という曖昧なものだ。同ロボットの設計の目的は、「人工知能がどのように、人間のような身体という形をとり得るのかを探る」ことだという。
公式の詳細情報がほとんどないこともあり、こうした曖昧な言葉を使った説明は、OpenAIの大規模言語モデルの完璧な器として1Xの人型ロボットを宣伝しているように聞こえる。
この記事は、FuturismのFrank Landymoreが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。