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アマゾン、フルフィルメントセンターで水素製造を開始

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アマゾン、フルフィルメントセンターで水素製造を開始

要点:

  • クリーンエネルギー事業者のプラグパワー(Plug Power)は2023年12月27日、米国コロラド州オーロラにあるアマゾン(Amazon)のフルフィルメントセンターに電解槽システムを設置したと発表した。1MWの電解槽が、電気と水から水素を製造する。
  • プラグパワーによると、このフルフィルメントセンターには225台以上の水素燃料電池フォークリフトがあり、これらに対して、プラグパワーが製造した低炭素水素を供給するという。設置した電解槽システムは、最大400台の水素燃料電池フォークリフトに対応する容量を備えている。水素は、現地で圧縮され、気体貯蔵タンクに貯められてから、フォークリフトで使用される。
  • いわゆる「グリーン水素」モデルであり、現地で生産される再生可能電気の余剰分を活用して、水素を製造・貯蔵する。さらに今回の方法は、一般的に水素の液化と輸送の過程で発生する炭素排出量の低減にもなる。

インサイト:

今回のプロトン交換膜(PEM)電解槽は、アマゾンとプラグパワーの提携を発展させたものだ。以前の提携では、アマゾンの北米にあるフルフィルメントセンター80カ所以上で、フォークリフトのバッテリーを燃料電池に置き換えるために、プラグパワーが1万7000個以上の燃料電池を提供した。しかしその大半において、フォークリフトに使う水素は他の場所で製造されていた。

プラグパワーによると、同社の電解槽システムをアマゾンが設置・利用するのは、このコロラド州の施設が初めてとなる。プラグパワーのプレスリリースによると、いわゆる「グリーン水素」システムであり、設計、設置、稼働を実施したプラグパワーが、今後のメンテナンスサービスも提供する。

プレスリリースでは、アマゾンのグローバル水素経済(GHE)ディレクターのアサド・ジャフリー(Asad Jafry) 氏が、「一部の場所やある種の施設において、現地製造を通して、水素利用のエネルギー効率をさらに向上させる」と述べている。

また、ジャフリー氏はリリースのなかで、水素について、2040年までに事業を脱炭素化するアマゾンの取り組みの「重要なツール」だとしている。アマゾンは、再生可能エネルギーへの投資、ソリューションの拡大、目標達成を加速させるための提携を通じた脱炭素化を目指している。

アマゾンは2024年、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)とも水素燃料電池トラックについて提携し、輸送ネットワークの脱炭素化を通じて持続可能性目標を推進する計画だ。メルセデスの親会社ダイムラー・トラック(Daimler Truck)によると、燃料電池トラックは、水素を用いて電気を生み出すことができ、脱炭素化に向いているという。2024年半ばには、路上テストが実施される見込みだ。

アマゾン傘下のアマゾン・ビジネス(Amazon Business)は、アマゾンとプラグパワーの提携が拡大する前の2023年11月に、調達に関する年報を公開した。グローバル企業の調達担当者など3000人以上の声が集められた本リポートからわかるのは、ほとんどの企業でESG(環境、社会、ガバナンス)が最優先事項になっているということだ。調査を受けた調達担当者や幹部の89%が、購買時にESGの方針とDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)で優先されている事項を考慮すると答えている。また33%が、調達機能においてESGに関する目標を設定または達成したい、あるいは一定の条件を満たすサプライヤーからの購買を優先することが必要だと答えている。

この記事は、Utility DiveのZoya Mirzaが執筆し、Industry DiveのDiveMarketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。