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アップルやテスラで経験を積んだ熟練エンジニアたちが、日本のAIチップ設計を支援

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アップルやテスラで経験を積んだ熟練エンジニアたちが、日本のAIチップ設計を支援

日本政府が支援する半導体開発研究グループが、初の先端AIチップ設計に関して、米国のスタートアップ、テンストレント(Tenstorrent)と提携する。

テンストレントは、2024年2月27日に東京でイベントを共同開催し、日本のAIアクセラレータの一部について、自社設計の使用許可を与え、チップ全体も共同設計する予定だと発表した。テンストレントは、テスラ(Tesla)とアップル(Apple)で働いた経験をもつベテラン・エンジニアのジム・ケラー(Jim Keller)が率いる企業だ。テンストレントは、オープンソースのRISC-V標準を利用して、エヌビディア(Nvidia)やアーム・ホールディングス(Arm Holdings)以外の選択肢を顧客に提供することを目指している(両社は、ハードウェアとソフトウェアのやり取りを行う独自の「命令セット」を所有している)。

日本政府は、研究から先端チップ製造にわたるさまざまなプロジェクトに資金を提供している。半導体産業の中心的役割を取り戻すために投入される額は、官民合わせて10兆円(約670億ドル)規模に達する見込みだ。テンストレントとの契約は、こうした取り組みを前進させる可能性がある。その目的は、政府支援を受けて設立されたスタートアップ、ラピダス(Rapidus)で共同設計されたAIチップを製造することだ。

テンストレントのケラーと共に発表イベントに登場した、ラピダスの小池淳義代表取締役社長は、「AIが世界の全電力を使い尽くすことへの懸念から、電力消費量を減らす技術が重要になっています。テンストレントと協力して、AIアクセラレータを最短期間で市場に投入したいと考えています」と述べた。

2022年8月に設立されたラピダスは、2027年にチップ製造を開始することを目指している。ライバルは、大手半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)とサムスン電子(Samsung Electronics)だ。だが、ラピダスには顧客が必要であり、ケラーのチームは、日本が需要と供給の両方を確保するよう尽力していると見ている。

テンストレントのデイビッド・ベネット(David Bennett)最高顧客責任者(CCO)は、次のように述べる。「日本が行っていることは、ただ工場を建設して希望を抱くだけではだめだということです。だから日本は、この工場を半導体でいっぱいにするために大規模な投資を行っています。つまり、いま皆さんが目にしているのは最初の一歩なのです」

テンストレントは、日本における数億ドル規模のビジネスに目を向けており、日本政府や日本企業と緊密に協力しているとベネットは言う。同社は現在、米国、カナダ、セルビア、インド、韓国、日本に400名の社員を抱えている。また、米国政府と緊密に連絡を取り、米国政府の技術輸出規制に完全に従うよう確認しているという。

テンストレントには、ケラー以外に、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)で13年を過ごしたキース・ウィテク(Keith Witek)最高執行責任者(COO)や、ウェイ・ハン・リエン(Wei-han Lien)最高チップ・アーキテクトがいる。リエンは、アップルの自社チップ設計の推進を主導した経験をもつ(この設計は、iPhoneへの電力供給から、iPadの稼働や、さらにはデスクトップのMacコンピューターの稼働にまで拡大している)。

テンストレントは日本で、政府の研究グループである、技術研究組合・最先端半導体技術センター(LSTC)と協力してAIチップ設計に取り組む計画だ。

それでも、日本での生産は挑戦になるだろう。最先端の2ナノメートル(nm)ロジックチップを2027年までに製造するというラピダスの目標は、達成できる望みは薄いと見られている。

LSTCの東哲郎理事長(ラピダス会長)は、2024年2月9日付の発表の中で「LSTCは、生成AIを含むエッジ推論処理用途に専用化したエッジAIアクセラレータの開発を、国際連携によって追求・推進していく」と述べている。テンストレントのベネットは、日本は専門知識の強化に努めており、海外に移動していた半導体専門家の多くを引き戻すことに成功したと語った。

この記事は、BloombergのVlad Savov and Jane Lanhee Leeが執筆し、Industry DiveのDiveMarketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。

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