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EV減速が需要を押し上げ、プラチナの供給不足が続く
ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)によると、2024年のプラチナ市場は、2年連続で供給不足になるという。電気自動車(EV)ブームの減速が、(ガソリン車で使われる)自動車触媒向けの需要を生み出すかたちになるとのことだ。
WPICは5月13日付のリポートで、2024年第1四半期の自動車セクターにおけるプラチナ需要は、2017年以来の高水準となり、2024年通年では、前年から約2%の増加になる見込みだと述べている。これは、(ガソリン車やハイブリッド車の)汚染防止装置(自動車触媒)でプラチナが必要になるからだ。EVには触媒コンバーター(排ガスに含まれる有毒ガスを有害度の低いかたちに変えて排出するための装置)が存在しないが、こうしたEVの需要拡大が鈍化するなかで、排ガス規制の強化と、パラジウム代替としてのプラチナ需要が、プラチナの消費を後押ししている。
WPICのリサーチディレクター、エドワード・スターク(Edward Sterck)は、「投資家のあいだでは、2030年に誰もがテスラを運転している状況にはならないだろう、ということが話されている」と語った。「その分だけ、内燃エンジン車とハイブリッド車が多くなる、ということになる。したがって、(内燃エンジン車やハイブリッド車で使われる)これらのコモディティの価値は、かなり低く見積もられているように見える」
白金族金属の近年の落ちこみにより、南アフリカ共和国では採掘企業が打撃を受け、レイオフが実施された。そんななか、ここ数カ月はプラチナの価格が上昇している。自動車メーカーによるパラジウムからの代替需要もあって、プラチナの価格は5年ぶりに、同族元素のパラジウムを若干上回った。
WPICによると、プラチナの需給は2024年、需要が供給を47万6000オンス上回り、2年連続の供給不足になる見込みだ。プラチナによるパラジウムの代替は続くとみられるが、WPICは、パラジウムの見通しが弱くなっていることから、この流れは約2年で逆転する可能性があると警告している。
以下、WPICのリポートから、「2024年のプラチナ」に関連する、その他の重要な数字をいくつか紹介しよう。
- リサイクル供給の増加は、鉱山生産の減少で相殺される。
- 地上在庫は12%縮小の見込み。
- 投資需要は2024年、69%低下すると予想されている。高金利によって、投資家が上場投資信託(ETF)から手を引くとみられるからだ。とはいえ、米連邦準備制度理事会が金利を引き下げれば、この流出は戻ってくるはずだ。
WPICのスターク氏は、「供給が限られる一方で、需要は、工業向けと自動車向けのどちらもかなり堅調だ」と語った。
この記事は、BloombergのJack Ryanが執筆し、Industry DiveのDiveMarketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。
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