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田中貴金属工業、プローブピン用ロジウム材料「TK-SR」を発表

世界初の高強度・高弾性限・高硬度・高導電率を同時に達成するロジウム材料
変形が少ないため、プローブカードの長寿命化と低コスト化に寄与

2025年11月12日

田中貴金属の産業用貴金属事業を展開する田中貴金属工業株式会社は、半導体パッケージ製造の前工程におけるプローブカード向けプローブピン用ロジウム(Rh)材料「TK-SR」(ティーケーエスアール)を発表します。本製品は2025年11月20日(木)~21日(金)に福岡県で開催される「SWTest Asia 2025」にてブース出展およびパネル展示を行い、11月末ごろのサンプル提供を予定しています。

田中貴金属工業では、半導体製造の前工程および後工程で実施される検査装置用として様々な貴金属のプローブピン用材料を製造し提供しています。今回発表する「TK-SR」は、プローブピン用ロジウム材料として、従来のプローブピン向け材料では不可能だった、高強度・高弾性限・高硬度・高導電率を同時に達成しました。そのため、プローブカードにおける長寿命化、低コスト化が期待できます。

ロジウムを素材とするプローブピンは、ロジウム自体の持つ物性から、他の材料に比べて高強度・高弾性限・高硬度・高導電率を同時に達成できることが期待されていましたが、導電率が重要視されていたため、強度・弾性限・硬度が制限されていました。この度、田中貴金属工業では、独自の加工技術により、高強度・高弾性限・高硬度・高導電率を同時に達成する本製品の開発に世界で初めて成功しました。さらに、線径18umまで提供可能であるため、ますます微細化が進む最先端半導体パッケージの狭ピッチの精密検査にも対応が可能です。
本製品について、2030年までに既存製品の2倍の出荷量達成を目標としています。

プローブカードは、半導体前工程でシリコンウェーハの通電検査する際に用いられる道具で、一枚あたり数千~数万本の精緻なプローブピンが使用されています。通電検査は微小な荷重をかけ、数十万回、場合によっては数百万回と繰り返し行われます。プローブピンは、一本でも変形や折れが発生してしまうとプローブピンの交換が必要となり、装置によってはプローブカード自体の交換も必要となるため、繰り返しの荷重においても変形や折れが生じない耐久性が要求されます。高強度・高弾性限のTK-SRを採用することで、プローブピンの変形や折れが低減でき、部材交換の頻度が減少します。

今後も、田中貴金属工業では、ますます拡大していくことが予想される半導体市場の発展への貢献を目指します。

【「TK-SR」製品性能(参考値)】

【「TK-SR」と従来Rh線との特性比較】

【出展展示会詳細】
■展示会名:SWTest Asia 2025
■会期:2025年11月20日(木)~21日(金)8:00~17:00
■会場:ヒルトン福岡シーホーク(福岡県福岡市)
■公式サイト:https://www.swtestasia.org/
■出展社:田中貴金属工業株式会社
■ブース番号:506
■パネル展示内容:プローブピン用ロジウム材料「TK-SR(線)」、プローブピン用パラジウム合金材料「TK-FS(線、板)、TK-SK(線)」、プローブピン用銅銀合金材料「TK-101(板)」、プローブピン用めっき液(各種)

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