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田中貴金属工業 メッキ液の国際展開加速 半導体向け、中国生産

  • TANAKA
  • 技術
2021/12/22

2021年11月22日 化学工業日報

田中貴金属工業のAP(アドバンストプレイティング)カンパニーは、メッキ事業でのグローバル展開を加速する。半導体市場の活況を背景に、2021年度上期の同カンパニーの売上高(貴金属・地金含まず)は前年同期比47%増と好調。通期でも同水準の成長を見込む。中国や米国で半導体国産化の動きが加速するなか、メッキ液の現地製造を推進する。すでに中国ではコネクター向けに現地製造を開始しており、2022年初旬には半導体向けでの現地生産を開始する計画。工場を有する米国でも、中期的視点から半導体向けでの現地生産を検討する。


現在、半導体向けは平塚のEEJAを中心に展開

欧米での供給も視野
田中貴金属工業は、社内カンパニーであるAPカンパニーでメッキ事業を展開している。同カンパニーは、グループ会社の日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(EEJA、神奈川県平塚市)、メタロー・テクノロジーズ・インターナショナルSA(スイス)などで構成されている。メッキ液やメッキ装置などメッキプロセスにかかわるソリューションを提供している。他カンパニー連携による、調達から製造販売・回収精製までのワンストップサービスに強みがある。

売上高の成長を牽引するのは半導体で、33%を占める。コネクター23%、プリント基板10%、発光ダイオード(LED)とリードフレームはそれぞれ5%と続く。事業拡大に向けてグローバル展開を推し進めるとともに、半導体需要の取り込みに拍車をかける。半導体向けは平塚のEEJAを中心に展開している。メタロー側でグローバル展開が進んでおり、世界11カ国22拠点を置く。日本(平塚)、中国(蘇州)、台湾(高雄)など需要地近辺に製造拠点を置く。

スイス、フランス、米国などにも工場を設けている。中国や米国では半導体の国産化に向けた動きが加速しており、国内でのサプライチェーン構築に躍起になっている。同カンパニーはこの動きを商機と見込んでおり、半導体向けの現地生産を推し進める。先行する中国では蘇州工場で主にコネクター向けのメッキ液を製造している。高騰するロジウムメッキからの代替が可能な白金メッキの生産が伸びている。さらに半導体向けでの製造準備を進めている。「現在テスト中で、年末から来年初めにかけて出荷される見通し」(中之内宗治EEJA社長)。中国ローカルの半導体メーカーに供給される予定。

米国にもメタローの工場がある。「半導体向けはまだ手がけていない。規模は小さく、細々と展開している(同)としながらも、現地需要の立ち上がりを想定して戦略を練っている。さらに、欧州連合(EU)が30年までに半導体生産の世界シェアを20%にするという目標を発表したことから、欧州でのメッキ液供給にも注力していく。

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