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パラジウム被覆銅ワイヤの接合性と信頼性
Semiconductor Digest、2024年4月/5月
DODGIE CALPITO 田中貴金属インターナショナル(アメリカ)株式会社
TAKESHI KUWAHARA、YUKI ANTOKU 田中電子工業株式会社(日本)
高信頼性CHR PCCワイヤは、本来のPd被覆をボール表面に残す独自の不純物を含んでいる。
Alパッド上のボールボンド表面のPdは、Cu9Al4と3元金属間化合物を形成することで、腐食とボンド不良を防ぐ。
銀以外では、銅(Cu)が最も
伝導性の高い金属として知られており、半導体の相互接続に使用するボンディングワイヤとして理想的である。しかし、銅は非常に酸化しやすく、塩素のような反応性の高いハロゲンによって腐食しやすい。塩素(Cl)は、管理されていない環境や、半導体の密閉に使用される電子成形コンパウンド内にも存在する。 このため、パラジウム被覆銅(PCC)のボンディングワイヤが開発され、現在これは、高価な金の代わりとして直径50ミクロン未満の細線で使用される最も主要なボンディングワイヤとなっている。
超音波熱圧着ワイヤボンディングは、ほとんどの半導体の相互接続に最もよく使用される形態である。これには、ワイヤ端部に溶融フリーエアボール(FAB)を形成することが必要であり、その後FABを超音波で半導体ボンディングパッドに圧着することでファーストボンドが形成される。
ただし、PCCワイヤを使用する場合は、多くの場合プロセス中むき出しになるCuの酸化を防ぐために、FAB形成時にフォーミングガスが必要になる。このCuの露出は、組成金属間の表面張力の違いに起因してFAB内部でPd被覆が流れてしまうことによって引き起こされる(以前の記事「Tanaka — ワインの涙とパラジウム被覆銅ワイヤ— マランゴニ効果」にてこの現象について記載—3月発行のSemiconductor Digestのpp. 33-34を参照)。
この1年で、TanakaではPdのフローを防ぎ、FAB形成中でもCuを被覆することを維持するような高信頼性PCCワイヤの新シリーズの製造を開始している。
この記事は、接合性と信頼性の観点から従来のワイヤと高信頼性PCCワイヤを比較したものである。