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パラジウムが白金族元素の“稼ぎ頭”に

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Antoine2K

 

パラジウムの強力なファンダメンタルズは、白金族金属をリードする。

白金族金属(PGMs)は、パラジウム、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよびオスミウムによって成る6つの類似した遷移元素だ。それぞれの元素が互いに似通った物理的・化学的な特性を持ち合わせており、これらは同じ鉱床で見つかることが多い。

白金族金属(PGMs)は、貴金属に分類され、多様な工業用途をもつ。中でも、自動車の触媒コンバーター製造に多く使われる。このグループで目立つのはプラチナだが、過去10年にわたって市場でのパフォーマンスが最も高いのは、姉妹元素のパラジウムだ。

実際に、ブルームバーグとグローバルリサーチによると、2008年から2017年の間、パラジウムはすべてのコモディティ取引の中でパフォーマンスが最高だった。パラジウムとプラチナの市場動向は、ここ数年ずっとポジティブだ。ジョンソン・マッセイ(LSE:JMAT)による最近のレポートには、「プラチナの工業利用は、2017年に新記録を打ち立てた」とある。

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このINNspiredの記事は、ニュー・エイジ・メタルズ(TSXV: NAM; OTCQB:NMTLF; FSE:P7J.F)が提供しています。ニュー・エイジ・メタルズは環境に配慮した金属探査企業であり、現在は、主要事業であるカナダ、オンタリオ州サドベリーのリバー・バレー白金族鉱山の開発に取り組んでいます。

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しかし、本当に光り輝いているのはパラジウムだ。同レポートによると、「パラジウムの自動車向け需要は、2018年に約2(%)上昇し、過去最高の857万オンスを達成すると推測される」。長期的に、白金族金属、特にパラジウムの需要はこれからも堅調であると予測されている。今日のパラジウム供給は、主に副産物として調達されており、世界の生産量の4分の3以上が、ロシアと南アフリカから供給されている。

供給は主に南アフリカとロシアに集中

パラジウムとプラチナ、他の白金族金属の仲間は、ニッケルの鉱化作用以外ではめったに生成しない。

国際白金族金属協会(IPA)によると、「採掘可能な白金族金属鉱床は、地球の地殻にはめったに存在しない」ため、世界におけるこれらの貴金属供給量の大半は、副産物という形でもたらされる。実際、世界の白金族金属生産の約33%が、天然のニッケル鉱山に由来する。

IPAの報告では、南アフリカとロシアが、世界の白金族金属生産のそれぞれ58%と26%を占める。残りのほとんどは、米国、カナダ、ジンバブエが占めている。

ロシア随一の生産企業は、ノリリスク・ニッケル(OTCMKTS: NILSY)だ。南アフリカでは、アングロ・アメリカン・プラチナ(JSE:AMS)が勢力を振るう。 北米では、とりわけ豊富に採掘できるオンタリオ州サドバリーの管轄区域において、グレンコア(LSE:GLEN)とヴァーレ(NYSE: VALE)が席巻する。 パラジウムを産出する天然鉱山は2つしかない。米モンタナ州のスティルウォーター・コンプレックス(シバニェ・スティルウォーター(NYSE:SBGL)と、カナダ、オンタリオ州のラク・デス・イレス鉱山(ノース・アメリカン・パラジウム(TSX:PDL)だ。

通常、ロシアと北米の鉱床はパラジウムに富んでいる。一方、南アフリカとジンバブエの鉱床はプラチナが豊富だ。IPAによると、「白金族金属の一次生産と二次生産は大きな収益を生み出すため、採掘・加工する国々の経済成長と富に大きく貢献する」。しかしながら、地球上で白金族金属が採れる地域は地理的に集中し限られているため、白金族金属市場は供給停止の影響を大きく受けやすい。

世界のパラジウム供給レベルは、2017年に若干の打撃を受けた。鉱山シャフトの閉鎖や南アフリカの主要鉱山での技術的問題、グレンコアとヴァーレの北米事業におけるニッケルと銅の生産量減少、ロシアからの出荷減少などが相次いだためだ。実際、2017年の市場では、80万オンス以上が不足し、価格を押し上げた。

ロシアと北米における白金族金属を含む鉱床は、アフリカの鉱床と比べて、パラジウム濃度がはるかに高い。そのため、ロシアや北米は、現在の市場需要を満たす主要な供給国となっている。 カナダにおけるニッケル採掘の副産物としてのパラジウム生産量は、サドベリー鉱山の白金族金属濃度の減少と鉱床の疲弊により打撃を受けると推測されている。そのため、触媒コンバーターの製造業者は新たな供給源を探すことになるだろう。しかし世界のなかで、白金族金属を採掘している事業は、もともとわずかしかない。

ニュー・エイジ・メタルズ(TSXV:NAM,OTCQB:NMTLF,FWB:P7J.F)の会長兼CEOを務めるハリー・バーは、「白金族金属市場は、当分解消されないであろう不足に直面している」と述べる。「世界の生産鉱山は、生産量を増やして需要を満たす力がない。通常、不足を補うため地上にストックされている金属は、完全に枯渇しているとは言わないまでも、非常に少ない」 ニュー・エイジ・メタルズは、オンタリオ州サドベリーのリバー・バレー白金族金属鉱山を開発中だ。このプロジェクトは、北米でまだ開発されていない最大の天然白金族金属鉱床だと考えられている。

多様な工業用途

プラチナとパラジウムは、工業用金属として、化学や電気、ガラス、医療など幅広い産業で使われている。貴金属としての役割においても、プラチナとパラジウムは宝石市場と投資市場からの需要が高い。

ジョンソン・マッセイは、2017年の工業分野におけるプラチナとラジウムの使用量は、ガラスと化学分野での需要に支えられて最高レベルに達したと報告した。同社が2018年5月に発表した白金族金属市場に関するレポートには、以下のように述べられている。「中国の化学原料の輸入依存を軽減するため立案された『メイド・イン・チャイナ2025』構想により、原油精製と下流の石油化学製品の生産を統合する新たな巨大設備への巨額の投資が刺激された。設備は、今後2~3年で操業を開始すると見られている」

これらのプロジェクトは、大量のプラチナとパラジウムを必要とすると見られる。プラチナとパラジウムは、化学反応のための優れた触媒だからだ。

化学メーカー各社は2017年に、50万オンス以上のプラチナを購入した。これは、5年間で4回目だ。パラジウムも化学分野からの引き合いが強く、メーカーからの購入は28%増加した。化学分野の成長は2018年を通して、引き続き白金族金属の需要を支えると予測されている。

ガラス製造分野からのプラチナ需要は、グラスファイバー市場の進歩を背景として、2017年に50%近く増加した。繊維強化プラスチックは、建設のほか、自動車や風力タービン製造などでの利用で、より重要な役割を果たすようになってきた。ディスプレーガラスメーカーからの需要も7年ぶりの高水準に達すると見込まれており、2018年におけるガラス市場からのゲインはさらに増加するとみられる。

主な市場は自動車用触媒コンバーター

プラチナとパラジウムの主な市場は、自動車の触媒コンバーターだ。触媒コンバーターとは、炭化水素の排出によって生み出される有害ガスを、有害成分を低減させた物質に変える自動車の部品だ。

「パラジウムの約80%とプラチナの約40%は、触媒コンバーターに使われる」と、インベスティング・ニュース・ネットワークは報告している。「触媒コンバーター市場は、2017年から2021年にかけて8.05%の年平均成長率で伸び、市場規模は551.6億ドルに達すると見られる」

触媒コンバーターに対する世界的な需要は高まっている。世界各地で自動車台数が増加していることや、自動車による汚染低減を目指した政府規制が増加していることからだ。触媒コンバーターと、それを製造するための貴金属は、ハイブリット車に不可欠であるため、自動車業界が電気自動車へ移行する中でも、自動車市場において役割があると期待されている。

ジョンソン・マッセイによると、大型車用触媒コンバーターにおける白金族金属の世界需要は、2018年に60%増加すると予測されている。中国とインドからの需要の増加に伴い、今後3年間で急速な成長が見込まれるからだ。

パラジウムは、プラチナよりも優れた熱安定性を持ち、ガソリンの排気ガスの温度に耐えることができる。ガソリン車用触媒コンバーター市場において、パラジウムはプラチナよりも広く使用されている。一方でプラチナは、ディーゼル車市場において重要な貴金属だ。ディーゼル車の需要は減少しているため、触媒コンバーター市場からのプラチナ需要も減少している。

世界の触媒コンバーター市場からのパラジウム需要は、2017年に過去最高の839万オンスに到達した。対して、プラチナの需要は329万オンスだった。ジョンソン・マッセイのアナリストは、触媒コンバーター用のパラジウム需要は、2018年に2%増加して857万オンスになり、さらに記録を更新すると予想する。対してプラチナの需要は318万オンスとなるようだ。

パラジウムは世界でもっともホットな金属

長い間、プラチナは白金族金属のリーダーとして認識されていたかもしれないが、現在はパラジウムが先導している。これらの2つの貴金属の対照的な市場、つまり、パラジウムの強力なファンダメンタルズと、プラチナの市場パフォーマンス低下は、2018年にかけてさらにその差が広がると予想されている。

過去10年間の輝かしい売上げによって証明されているように、パラジウムは白金族金属をリードするだけでなく、世界で最もホットなコモディティの先頭に立っている。

投資家は、パラジウムの大幅な供給不足を予測する可能性がある。パラジウムの地上ストックが減少する一方で、特に自動車産業など様々な工業用途における需要が着実に増加しているためだ。パラジウム生産の大部分は少数の地域のみに集中しているため、より多様な地域からの供給の必要性が強調されている。

このINNspiredの記事は、ニュー・エイジ・メタルズ(TSXV:NAM,OTCQB:NMTLF,FWB:P7J.F)が提供しています。この記事は、INNの編集基準に従って、投資家への情報提供を目的に書かれたものです。 

 

この記事は、Investing News Networkが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。