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ソフトバンク傘下のアーム・ホールディングス、自動運転車向けのCPUを発表
サンフランシスコ発(ロイター)──ソフトバンクグループ傘下の英半導体会社アーム・ホールディングス(Arm Holdings)は2018年12月18日、自動車業界にさらに踏み込むべく新たなCPUを発表した。各種センサーからのデータ・ストリームを処理するこのCPUは、自動運転車の路上走行に役立つと期待されている。インテルをはじめとする各社がしのぎを削るこの分野に、同社はこれまで以上に深く切り込むことになる。
新たなCPUの名称は「コーテックス(Cortex)-A65AE」。2020年に市場投入される見通しだ。自動運転車の各種センサーからのデータをほぼリアルタイムで処理するだけでなく、より車載用途に適したCPUにするための新たな安全機能を備えている。家電の場合は消費者を苛立たせる程度の誤作動が、自動運転車では事故につながりかねないためだ。
アームは、携帯電話向け半導体技術のサプライヤとして最も良く知られている。同社の基礎設計と技術の一部は、米アップルのiPhoneや米クアルコムのプロセッサを搭載したアンドロイド端末を含む、ほぼ全ての携帯電話向けプロセッサに採用されている。
アームは、2018年9月に初めて自動車搭載用のCPU「コーテックス(Cortex)-A76AE」を発表した。同社の新たな安全機能「スプリット/ロック(Split Lock)」を搭載した初のCPUだ。
スプリット/ロック機能では、車の設計者がCPUを最速で機能させたい時には、CPUの複数の「コア」を分割(スプリット)し、マルチコアでデータを同時に処理できる。だが、安全性を最大限に生かしたい場合にはコアを「ロック」して固定し、それぞれのコアに同一の処理をさせてCPUの動作をダブルチェックし、演算処理のミスが生じる可能性を最小限に抑えることができる。
18日に発表されたCPUは、新たな安全機能と共に、各種センサーからのデータを迅速に処理・伝送するための機能も備えている。各自動車メーカーに採用されているグラフィック・プロセッサへの高速接続を可能にする技術も確保されている。こうしたグラフィック・プロセッサは現在エヌビディア(Nvidia)などが提供するものだが、アームのCPUはこれを補完することになる。
だが、アームのCPUは、米半導体大手インテル傘下のイスラエルの半導体メーカー、モービルアイ(Mobileye)が提供するCPUと直接張り合うことになる。アームは長年、バッテリーが小さい携帯電話向けのCPUを開発してきたため、その競争上の主な優位性のひとつは、消費電力を抑えることに重点を置いたCPUだ。
アーム自動車部門のVP、ラクシュミ・マンディアムはインタビューで、「今ある自動運転車の一部では、トランクにシステム類が詰め込まれている」と語った。「消費電力という観点からすれば、今の10分の1に抑える必要があると業界は考えている。そしてアームはそれを実現する上での中心的存在と見られている」
(報道:スティーブン・ネリス、編集:リサ・シューメーカー)
この記事は、Reutersのスティーブン・ネリスが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問合せはlegal@newscred.comまでお願いいたします。