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2019年の10大技術トレンドとイノべーション

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1 自動化と人工知能(AI

新たな段階の自己訓練により、ロボットが独自の結論を導き出したり、ハードコードされていない推論を行ったりすることが可能になってきた。その結果として、大量のデータを調査する場合に、人間なら見逃してしまうようなことをロボットに指摘させ、新たな考えをもたらすことができるようになっている。

DXCテクノロジー(本社は米国バージニア州)の英国公共部門技術責任者を務めるロン・ブラウンは、「監視カメラ(CCTV)やリアルタイム動画を例として挙げましょう。これらは大量の記録映像を生成するため、その全部を人間が確認することはできない可能性があります」と指摘する。「AIは、監視対象としたいことがあらかじめわかっている特定の事物を探すだけでなく、人間が考えもしなかったような事物を発見することにより、映像の意味を理解し始めることができます」

2 ヒューマン・インターフェース

スマートフォンの台頭に後押しされ、今やコンピューターの使用の80%以上がモバイル機器経由で行われている。それにもかかわらず、業務用アプリの多くがキーボードなしでは利用できないのは腹立たしいことだと、ブラウンは言う。

こうした状況を変えるカギが、ユーザーが音声認識や顔認識などの技術を介してモバイル機器からシステムにアクセスするヒューマン・インターフェースだ。ユーザーのアイデンティティは、ユーザーのモバイル機器のなかに格納されているのだ。

3 モノのインターネット(IoT

IoTの第2世代へと移行しつつある現在、センサーによって機器に自発的な判断を行わせ、単純なデータ収集の範囲を超える処理を実行させることが可能になっている。

IoTは、家庭向け市場ではすでに成熟期を迎えた技術であり、ウェブカメラや遠隔照明操作などに応用されている。信頼できるネットワークを構築し、セキュリティーを向上させれば、都市での利用に関しても、非常に大きな可能性が見込まれる。

4 スマート都市

スマート都市では、例えば、さまざまな要求に応じられる公共輸送や、光熱費を削減するように最適化できる照明システムのサポートといった各種サービス、都市の運営方法を向上させるために、コミュニケーションと情報技術を導入する。

メッシュネットワークは、スマート都市を次の段階に進めるものだ。メッシュネットワークは、互いに通信するアクセスポイント群で構成されている。そのため、より信頼性が高く、安価で、第5世代通信規格(5G)の利点を活用できる。ダウンロード速度と帯域幅が、現行の回線の数百倍に向上する。

「安定しており、膨大なデータ量に対応できるこれらの優れた通信により、状況はまさしく一変します」と、ブラウンは話す。「自律走行車や自律飛行ドローンが、突如として現実のものとなります」

5 デジタル・エンタープライズ

デジタル・エンタープライズというアイデアは、情報をデジタル化して技術的な障壁を取り除き、ブラウンの言う「部門間で、摩擦のないデータの流れ」を可能にするものだ。

こうした「マシン・トゥー・マシン(machine-to-machine)」インターフェースは、業務を迅速化するとともに、アイデアの共有、協力の拡大、職場における縄張り意識の破壊などを促進する。

6 ブロックチェーン

ブロックチェーン技術は、ユーザー間で共有される取引のデジタル記録を提供し、取引対象物がどこから来たか、どこに行くか、などを安全に記録する。

デジタル・エンタープライズ内では、ブロックチェーンをバックエンドのシステムに採用することで、部門間での情報のやりとりに伴うサイバーリスクの脅威を軽減できる。

ブロックチェーンは、部門と市民の間の取引に関しても、安全で検証可能な監査証跡を提供できる。書類やデータベースの徹底的な調査の必要がなくなるのだ。

関連記事:Digitisation: governments still ‘have a huge mountain to climb’

7 サイバーリスク

サイバーリスクの情勢は変化しています」と、ブラウンは言う。「かつてわれわれは、ファイアウォールを用いて事業や部門を要塞化していましたが、部門やチームが情報を自由に共有し、協調を図る場合、こうしたやり方はもはや機能しなくなります」

現在必要なのは、新たな考え方への移行と、すべてのものが同レベルの防御を必要とするわけではないことを受け入れることだと、ブラウンは説明する。従って、「要塞化」アプローチの代わりに、「効率的に行う必要があるのは、個々のデータストアや機器の周囲に防御を施すこと」だという。

8 柔軟な労働力

ブラウンは、人々が自宅で、モバイル機器を使って非常に多くのことを行っていることを認識しており、「モバイルファースト」ポリシーを支持している。しかし、「職場では技術が10年遅れています。敷石のように分厚いノートパソコンを使わざるを得ません」と、同氏は指摘する。

そうではなく、自分が所有する機器を使えるようにするべきだと、ブラウンは考えている。自分の機器は使い慣れているため、生産性を高める助けになる可能性がある。こうした方針を採用している組織もあるが、多くはいまだに、このような措置を取っていない。

ブラウンは、自分が所有する機器を仕事に使う場合は、アプリを起動して、個人のデータを業務データから切り離すと説明する。「これにより、セキュリティーポリシーに確実に準拠するようにするとともに、私が不正アクセスを受けたと会社が判断した場合に、会社が私の個人データには触れることなく、機器の中の業務で用いている部分だけを消し去ることが可能になります」

これは複雑なことではなく、高い費用も必要としない、とブラウンは言う。この技術はかなり以前から出回っている。「この技術の導入を遅らせてきた原因は、企業文化の変化です」

9 デジタルスキル

より多くのプロセスとデータに関して、再プラットフォーム化とデジタル化が進むことで、企業の部門が必要とするスキルセットが劇的に変化している。情報統合、分析、情報ガバナンスなどのスキルを持つ人々に対する需要が、著しく変化する可能性がある。

これらのデジタルスキルは、現在不足しており需要が高くなっているため、公共部門は、必要とする人材を見つけるために、これまでとは全く異なる観点から検討を行う必要がある。「Bring your own team(スモールチームの導入)」や、クラウドソーシングサイトへの投稿など、新たなアイデアに目を向け始める必要があるのだ。

 10 データ駆動型でインテリジェントな意思決定

「推測を止め、計測を始める時が来ました」と、ブラウンは言う。「ビジネスプロセス全体に分散しているデータを集めて活用することで、データ駆動型の意思決定を推進し始めることができます」

分散したデータ同士を結び付けることで、組織は、これまでよりはるかに大局的な視点から業績を評価する方法を得る。そして、生産性の向上と、重要業績評価指標(KPI)の達成のために役立てることができる。

 

この記事は、The Guardianのマーク・ヒルズドンが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。