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パラジウムが史上最高値を更新、さらなる上昇の可能性も
(Bloomberg) ──全世界の自動車販売が減速の兆候を示すなか、貴金属のパラジウムは重力に逆らうように反発し、史上初の1オンス1400ドルを突破した。
主に自動車業界で触媒として利用されているパラジウムは、2018年8月中旬以降、60%以上も急騰している。その理由は、自動車メーカー各社が、厳格化された排出基準を満たすためにパラジウムの入手を急いでおり、深刻な供給不足に陥っていることだ。
ロンドン市場における1月17日のパラジウムの価格は前日から5.4%上昇し、1オンス1439.29ドルを記録した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)における同日午後1時39分時点の価格は、1394.97ドルだった。3月の先物は2.3%上昇した。
自動車販売が主要市場で減速の兆候を示しているが、投資家は重視していないようだ。ヨーロッパでは2013年以来初めて、年間販売台数が減少に転じた。中国も前年から減少しており、米国も微増にとどまっている。
メタルズ・フォーカス(Metals Focus)によれば、パラジウムは8年にわたって供給不足が続く見込みだという。パラジウムは、南アフリカやロシアの鉱山で副産物として生産されるため、たとえ価格が急上昇しても、生産量を調整し、短期的な需要を満たすことはできない。
ダニエル・ブリースマンをはじめとするコメルツ銀行のアナリストたちは、短信の中で、「近年、すべての主要自動車市場で販売台数の低迷が報告されていますが、投資家はその事実を無視しているように見えます」と述べている。「その代わり、南アフリカでストライキが拡大し、金、プラチナの主要生産者が所有するプラチナ鉱山も対象になるといったニュースに注目し、買いの十分な理由になると判断しているようです」
JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase & Co)のテクニカルアナリスト、トーマス・アンソンジュは、ロンドンからメール取材に応じ、50日、100日、200日移動平均といったテクニカルなバリアを突破した後、「パラジウムは未知の領域に入りました」と述べている。「このようなケースで動向を予測するには、テクニカルな視点に頼るしかありません」
JPモルガン・チェースは、1月16日に1オンス1357.50ドルでパラジウムを購入。顧客向けの短信では、すでに1343ドルの抵抗線を突破したため、次は1587ドルがターゲットになると予測している。
そのほかの貴金属:
- ・金-0.1%、銀-0.5%、プラチナ+0.3%
記事執筆補助者:Ranjeetha Pakiam
当記事執筆者の連絡先:Rupert Rowling(ロンドン):rrowling@bloomberg.net、Marvin G. Perez(ニューヨーク):mperez71@bloomberg.net
当記事担当編集者の連絡先:Lynn Thomasson:lthomasson@bloomberg.net、Margot Habiby、Christine Buurma
©2019 Bloomberg L.P.
この記事は、Bloombergのルパート・ローリング、マービン・G・ペレズが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。