CLOSE
About Elements
美しい未来のために、
社会を支えるテクノロジーを
TANAKAは、「社会価値」を生む「ものづくり」を世界へと届ける「貴⾦属」のスペシャリスト。
そして、「Elements」は、わたしたちのビジネスや価値観に沿った「テクノロジー」や「サステナビリティ」といった
情報を中⼼に提供しているWEBメディアです。
急速にパラダイムシフトが起きる現代において、よりよい「社会」そして豊かな「地球」の未来へと繋がるヒントを発信していきます。
京都市がグリーンボンドの発行を検討中
(Bloomberg)──日本で最も人気の高い観光地である京都市が、環境・社会・ガバナンス関連プロジェクトの資金調達を行うために、債券の発行を検討している。京都市長によれば、これが実現すれば、日本の自治体としては東京に次ぐ動きとなる。
門川大作市長(68歳)は2019年11月11日、東京で潜在的投資家や金融機関と会談。その後のインタビューの中で、1600以上の寺院がある古都京都が現在、国連の持続可能な開発目標(SDGs)関連の事業資金を調達するために、円建て債券の発行を検討中だと語った。
トレードマークである京都仕立ての着物(背中には、SDGsのロゴが色とりどりの糸で刺繍されていた)に身を包んだ門川は、そうした債券への需要の高まりに対応する複数のプロジェクトについて、各銀行と話し合いを行っていると述べた。
「SDGs関連プロジェクトを投資の観点から探求する方法を検討し、この分野の調査研究を行っていくことは重要だ」と門川は語った。「このような債券を発行するためには、どれぐらいのコストがかかるのかも知りたいと考えている」
債券発行で調達した資金の使い道として門川は、クリーンエネルギー関連施設への投資や、保育センターの建設、公園の維持管理などを挙げた。
グリーンボンドとも呼ばれるSDGs債は、普及しつつあるものの、日本ではこれまでのところ東京都の発行が唯一の例だ。
東京都のSDGs債の場合、2017年から2019年11月までの発行総額は、3つの通貨建て(円、米ドル、豪ドル)で約4億5000万ドル相当に達している。そのほかの自治体については、発行の認定を受けるためのコストが障害になっている、とアナリストたちは指摘する。
京都市行財政局の芝野友基によれば、京都市は、機関投資家向けと個人投資家向け、両方のグリーンボンドの発行を検討している。
芝野は電話での取材に対して、「個人投資家向けについては、福祉や育児・保育、災害対策などを目的とした、シンプルで分かりやすい債券をつくりたい」と説明。またグリーンボンド発行の目的については、京都の各銀行のビジネスを促進するとともに、SDGsに対する市民の関心を高めることだと付け加えた。
この記事の執筆に関しては、Issei Hazama、Erica Yokoyamaの協力を得た。
当記事執筆者の連絡先:Ayai Tomisawa(東京):atomisawa@bloomberg.net、Rie Morita(東京):rmorita5@bloomberg.net
当記事担当編集者の連絡先:Andrew Monahan:amonahan@bloomberg.net、Beth Thomas、Finbarr Flynn
©2019 Bloomberg L.P.
この記事は、BloombergのAyai TomisawaとRie Moritaが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは legal@newscred.comまでお願いいたします。