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ミリ波ネットワークの次に来る技術は?

  • 技術
2021/6/23

モバイルトラフィックの需要は、毎年50%のペースで増加を続けている。こうした増加はいつ停止するのだろうか。

カリフォルニアにあるベンチャー企業のMobile Expertsでは、今後はミリ波(mmWave)ネットワークが大きく成長すると予測してきた。通信事業者が6GHz未満の容量をいずれ使い果たすことと、将来的には2~3年ごとに容量を倍増させることが必要であることからだ。6GHz未満の容量を増やす経済的な方法は存在しないため、今後5年間は間違いなくミリ波が成長するだろう。

Mobile Expertsは以前から、「GkM」モデルモバイル容量モデルを提唱し、その背景について説明してきた。これらのモデルについて詳しく知りたい場合は、過去のブログを読んでほしい。

Cバンド(6GHz帯)がすべて利用されつつある米国の現状をまとめたチャートによると、人口が密集した都市部ではトラフィックの増加が著しいため、2023年には、Cバンドおよび6GHz未満の周波数帯で容量が枯渇すると見られる。

今回は、長期的な視点で考えてみよう。最終的にはどうなるだろうか。容量の半分がミリ波リンクで処理されるようになることで、ネットワークを効率的に運用できると本当に考えられるだろうか。

理論的には、このアイデアは素晴らしいように思える。しかしご存じの通り、モバイルトラフィックの80%は屋内で消費されている。したがって、容量の半分をミリ波ネットワークで処理するには、少なくとも30%のミリ波が建物の壁を通過できるようにしなければならない。

当然ながら、壁を通過させるには、中継器やその他の魔法のような装置が必要だ。我々はこのような技術が実現すると予測しているが、いくつかの事例に関しては不透明だ。たとえば、20階建ての建物が密集した都市部で中継器を戦略的に展開するには、消費者向けのCPE(顧客構内設備)機器を置くだけでなく、商業ビル所有者の許可を得なければならない。

ミリ波は膨大な容量を提供するため、今後4~6年間は容量の問題を解決してくれるだろう。また、20年間にわたってブロードバンドの膨大なデータ需要を賄ってくれるはずだ。携帯電話事業者は、3年ごとに1GHz前後の新しいミリ波帯を追加することで、データ需要に引き続き対応し、2027年頃までは、データトラフィックの密度を約0.1Gbps/km2/MHz(GkM)レベルで維持できるだろう。だがそれ以降は、新しい低周波数帯とミリ波帯を組み合わせなければトラフィックを管理できなくなる可能性がある。

もっとも、モバイルトラフィックが永遠に毎年50%のペースで増え続けるとは思っていない人もいるだろう。筆者もその一人だ。筆者のモデルでは、データの伸び率は徐々に鈍化し、2030年には25%にまで落ちる。とはいえ、固定ブロードバンドネットワークのデータ需要がきわめて大きいことを考えれば、モバイルデータの消費量が今後も大きく伸び続ける可能性があることは明らかだ。

固定ブロードバンドを利用している家庭では、毎月数百GBのデータが常に消費されているが、スマートフォンでは最高品質のネットワークでも月に20~30GBだ。そのため、大規模な産業利用やその他のエンタープライズ向け利用がない場合でも、10年間は消費量が増える可能性があると我々は見ている。

理想的なケースは、混雑した屋内・屋外環境でのデータ処理にミリ波を利用しながら、壁を通過させるために低周波数帯を利用するというものだ。トラフィックの80%は屋内を流れているため、長期的には、屋内用の小型ミリ波セルと中継器を組み合わせる必要が出てくる。最終的には、コグニティブ無線も必要だろう。

2030年には6Gが導入される予定だが、これまでと同じように、出てくる課題に合わせて調整が行われることになる。6Gでは、現在利用されていない20MHz~4GHzの周波数帯が開放されることになるため、コグニティブ無線の技術が強力に推進されると筆者は考えている。

筆者の分析によれば、主要な先進国では、2GHz以上の周波数を適宜利用しながら、「スマート」無線技術によって、政府機関のユーザーと商用ユーザーが周波数を効率よく共有できるようになる可能性がある(CBRS[市民ブロードバンド無線サービス]は、政府のような重要機関のユーザーと、商用ユーザーの間で周波数を共有するためにコグニティブ無線技術を利用するわかりやすい事例だ)。

したがって、6G技術に取り組んでいる人は、建物の所有者の許可を得なくてもレンガの壁を通過できるようにすることの必要性を考えてほしい。すべての周波数帯が必要になってくる10GHz未満で、物理学的探究が必要になる。今こそ、創造性をさらに発揮して、「スペクトラムの共有」を世界の主要な戦略にすべきなのだ。

 

この記事は、FierceWirelessでJoe Maddenが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。

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