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PlayStationからSUVへ──ソニーがEV市場に参入

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2021年の世界中の自動車業界は、かなりの「悪路」を経験してきた。サプライチェーンの問題と、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックをきっかけに起こった巨大な変化の後の同業界は、「これまでと同じには決してならないだろう」とCNBCは報じている。自動車業界は、「過去最低」の車両在庫数という状況に陥った(最大の原因は半導体チップ不足だった)ものの、「消費者需要が回復力を見せ」、利用できる車両やトラックが不足するなか、記録的な価格設定や利益を計上した。

自動車業界は、さまざまな側面で「多すぎるほどの破壊的革新」に直面しているが、そうした変化のいくつかは、実際に「将来の自動車業界をかたち作っている」とHindustan Timesは書いている。こうした変化を推し進めているもののひとつが「電化」だ。

消費者がCO2排出量の削減に目を向けたことを受け、2021年には電気自動車(EV)の利用率が上昇した。また、英国において好調なEV販売は、「厳しい自動車市場における明るい材料」だったとThe Guardianは報じている。

英国自動車製造販売者協会(SMMT)によると、2021年に英国全体で販売された二次電池式EV(Battery Electric Vehicle:ハイブリッドカーや燃料電池を使用した電気自動車を除く)は19万台だったという。これは過去5年間の合計数を上回っており、総販売台数の約11.6パーセントを占めている。

英国の販売数トップは、テスラ「Model 3」

SMMTの年次統計によると、2021年12月に英国で一番売れた車はテスラの「Model 3」で、販売数は9,612台だったという。また同車は、2021年に英国で2番目に売れた新車でもあり、34,783台が売れた。現在時価総額が1兆ドルを超えるテスラは「このレースの先頭を走って」おり、Model 3は着実に「欧州で一番売れたEV」への道を進んでいる、とEuronewsは報じている。

ほぼすべての主要自動車メーカーが「新車販売をEVのみ、または少なくともEV主流に移行させるという壮大な戦略」を発表しているとThe Vergeは報じている。ボルボ、メルセデス、ロールスロイスはその期限を2030年、ゼネラルモーターズは2040年、フォルクスワーゲンは2050年に設定している。

だが、この混み合ったレースに参加しているのは老舗の自動車メーカーだけではない。多数のテック企業も壮大な計画を立てている。

ソニー、EV市場への参入を検討

テック大手のソニーグループは2021年1月4日、アメリカで開催されたテクノロジー見本市「CES 2022」で「VISION-S 02」を発表した。同社が「実際に作りたいと思っている」SUV型試作車だと、CNETは報じている。VISION-S 02は、2020年に発表された完全電気式の4ドアセダン型試作車「VISION-S 01」と同じEV/クラウドプラットフォームを使用している。実際にソニーは、「2020年12月以降、欧州の公道でVISION-S 01をすでにテストしている」とGSMArena.comは書いている。

PlayStationと、映画『スパイダーマン』のヒットによって「持ち直した」ソニーは、家電製品とエンターテインメントでの「優位性」を確立したと、Sky Newsのイアン・キングは述べている。「ソニーがEV市場に入り込めるという保証はない」ものの、CESにおけるソニーのコメントから判断すると、「本気であることは明らか」だ。

ソニーは、2022年春に事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立すると正式に発表した。これにより、EV市場への参入を検討するという。

新会社設立のニュースを受け、ソニーの株価は東京株式市場で「4パーセント以上急上昇した」とキングは付け加えた。「この反応から、日本で2番目の規模を誇る企業が全力で取り組めば成功するだろう、と投資家が信じていることがよくわかる」

ソニーグループ代表執行役会長兼社長CEOである吉田憲一郎は、ソニーはVISION-S 01の発表後に受けた活気から「自信を得て」きたと述べている。「イメージセンシング、クラウド、5G、エンターテインメントの各技術とコンテンツの専門知識を兼ね備えている」ソニーは、「クリエイティブなエンターテインメント企業としてモビリティを再定義できる絶好のポジションにいる」と、吉田は考えている。

この記事は、The WeekのMike Starlingが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。