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NASAは月面原子力発電の実現を目指して動き出した

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米航空宇宙局(NASA)と米エネルギー省(DOE)は、宇宙核技術の推進に向けて提携している。NASAとDOEは2022年6月21日、核分裂を利用した原子力発電システムの設計について、3つのコンセプト提案を選定した。今回選定されたシステムは、月面での実証に向けて、2020年代末までに打ち上げの準備が整うとされているものだ。この技術は、有人月面探査を目指す「アルテミス計画」の下で今後行われる探索に役立つはずだ。

これらの契約はDOEのアイダホ国立研究所を通じて発注されるもので、それぞれが約500万ドル(約6億8500万円)と評価されている。月面環境で少なくとも10年間存続する予定である40kw級の核分裂発電システムの、初期設計コンセプトの開発に資金提供するものだ。

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核分裂を利用した原子力発電システムのイメージ。「アルテミス計画」のもとで行われる有人月面探査に、信頼性の高い電力を供給できるようになるという

核分裂システムは、他の発電システムに比べて比較的小さく、軽量で信頼性が高いほか、建設場所や日照などの自然環境条件に左右されず、継続的に電力を供給できる見込みがある。月面でこうしたシステムを実証することは、月と火星における長期ミッションへの道を拓くことになるだろう。

「新技術によって、月や火星、さらにそれを超えた探査が促進されます」と、NASAの宇宙技術ミッション部門(Space Technology Mission Directorate)で副部長(associate administrator)を務めるジム・ロイター(Jim Reuter)は語る。「こうした初期の設計を開発することで、他の世界における長期的な人類の居住のために電力を供給する土台をつくることに役立つでしょう」

アイダホ国立研究所の管理・運営請負業者であるバテル・エネルギーアライアンスが、NASAから資金提供を受ける提案依頼書の作成、評価、調達を主導した。アイダホ国立研究所は、以下の各企業と、予備設計を開発することを目的とした12カ月の契約を結ぶことになる。

+ ロッキード・マーチン(メリーランド州ベセスダ)──総合エンジニアリング企業のBWXTおよび冷却技術などの技術を持つクレアーレと提携予定
+ ウェスティングハウス・エレクトリック(ペンシルベニア州バトラー郡クランベリー郡区)──ロケットエンジンの製造を手がけるエアロジェット・ロケットダインと提携予定
+ IX(テキサス州ヒューストン)、月面着陸船を打ち上げ予定のIntuitive Machinesと高温ガス炉とその燃料の開発を手掛けるX-energyによる合弁会社──マクサー・テクノロジーズおよびボーイングと提携予定

「月面で核分裂を利用した原子力発電を目指すプロジェクト『Fission Surface Power』(FSP)は、米国が月面に原子力を構築するための、達成可能性が非常に高い第一歩です」と、アイダホ国立研究所のジョン・ワグナー(John Wagner)所長は語る。「それぞれのチームが何を達成するのか楽しみにしています」

第1段階の契約では、宇宙船に載せることが可能と認定される核分裂発電システムの共同開発につながり得る重要な情報が、業界からNASAに提供される。FSPのための技術は、原子炉を使用して発電する原子力推進システムをNASAが成熟させるうえでも役立つだろう。これらのシステムは、深宇宙探査ミッションにも使用できる可能性がある。

NASAにおけるFSPプロジェクトの管理は、クリーブランドにある同局のグレン研究センターが行う。発電システムの開発資金は、アラバマ州ハンツビルのマーシャル宇宙飛行センターにある宇宙技術ミッション部門の技術実証ミッションプログラムから提供される。

NASAによる宇宙技術への投資情報については、こちらで知ることができる。

この記事は、SpaceDaily.comが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。