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ルノーとグーグルはソフトウェアから自動車を再定義する
Top Image: フランス、ドゥエーにあるルノーの工場
ルノーの創業は1898年。コンピューターやインターネットが登場する、はるか昔のことだ。そのためだろうか。ルノーがハイテクで現代的な目標を掲げていることには、少しばかり驚きがある。例えばルノー・グループは、2040年までにヨーロッパでのカーボンニュートラルを達成することを目指している。これは、ステランティス(フランスの自動車メーカーグループPSAと、イタリアの自動車メーカー、フィアット・クライスラー・オートモービルズが折半出資で合併して2021年に誕生した多国籍自動車製造会社)が目標に掲げる2038年の2年後だ。さらにルノーは2022年11月、車載ソフトウェアに関するグーグルとのパートナーシップを拡大した。
自動車業界ではここ数年、電子機器化とソフトウェアの無線アップデートが爆発的に拡大している。ルノーによれば、グーグルとのパートナーシップは「ソフトウェア定義車両(SDV)」に焦点を当てている。これは車をアップデートする機会を増やし、テクノロジーと車がさらに融合することを目指すものだ。SDVは新しい略語に聞こえるかもしれないが、電子機器化を受け入れて効率向上の方法を見つける自動車メーカーが増えるにつれて、よく使われる用語になっている。米国のEVメーカーであるリヴィアンなどはすでに、ソフトウェアの無線アップデートを拡大しテクノロジー企業としての地位を高めている。リヴィアンの「ソフト・サンド・モード(砂漠の上を走るモード)」は2022年のアップデートで、顧客の車のタッチスクリーン上に魔法のように現れた。
ルノー・グループは、ルノー、ダチア、アルピーヌ、モビライズという4つのブランドで構成されている。ルノー・グループは2016年に日産自動車および三菱自動車とアライアンスを結成(2016年以前はルノーと日産とのアライアンス)し、アルピーヌの名でF1カーを走らせ性能の信頼性を高めてきた。次なるフロンティアはグーグルとの協業だ。ルノー・グループのルカ・デメオCEOはプレスリリースの中で、「車の電子アーキテクチャは、顧客が期待する機能やサービスの高度化に伴って指数関数的に複雑化している」と述べている。「グーグルと共同開発したSDVアプローチは、共有ITプラットフォーム、継続的な無線アップデート、車両データへの合理的なアクセスを武器に将来の顧客のニーズに応えるため、私たちの車を変革していく」
Image Credit: ルノー
ルノーは、「最終的にオペレーショナルモデル全体をクラウド化し、アジリティ(機敏性)、パフォーマンス、収益性を高めていく」と述べている。つまり、ルノーはグーグルとの連携によって顧客の運転習慣に関するデータをより多く収集し、自動車メーカーにとって最も重要な指標である残存価値と顧客維持率を高めることができる。グーグルとルノーは、物理的なマシンのデジタル版であるデジタルツインをクラウド上に作成することで、AIを使って変更や改善を素早く実行できる。このような技術の利点は、物理的な環境にアップデートを展開する前に、変更をテスト・監視できることだ。これにより、エラーの可能性を最小限に抑えることが可能となる。
米国カリフォルニア州マウンテンビューを本拠とするテクノロジー企業グーグルと、フランス、ブローニュ=ビヤンクールを本拠とする自動車メーカーのルノーとの提携は、2018年に始まった。この発表によりグーグルは、ルノー・グループの優先クラウドサプライヤーとなり、同グループのデジタル変革「ムーブ・トゥー・クラウド」において大きな役割を果たすことになる。
ルノー・グループとグーグルは、メンテナンス間隔の予測や機械的な問題の検出によって、顧客体験をより良いものにすることを目指している。また、SDVは個人の運転パターンに適応し、EV充電ステーションなよく行く場所に道案内できる。
このような取り組みを行っているのはルノーだけではない。テスラは数年前からソフトウェア重視の戦略をとっている。韓国のヒョンデ(現代自動車)も、2025年までに全モデルをSDVにすると宣言している。ルノーによれば、これから注力していく技術は実際の使用状況や運転行動に基づく自動車保険に影響を与える可能性もあるという。これは、運転習慣によって、プラスになるかもしれないし、マイナスになるかもしれない。
この投稿「Can software really define a vehicle? Renault and Google are betting on it.」は、最初にPopular Scienceに掲載されました。
この記事はPopular Scienceに掲載されました。
この記事は、Popular ScienceのKristin Shawが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。