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半導体の将来予測:需要を牽引する自動車、猛追するAI

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半導体の将来予測:需要を牽引する自動車、猛追するAI

半導体業界の幹部たちは、業界の売上にとって自動車が最大の牽引役になると考えていることが、KPMGの調査で明らかになった。

世界の半導体企業幹部172名に対する調査結果をまとめたKPMGのリポート『Global semiconductor industry outlook for 2024(2024年グローバル半導体業界の展望)』によれば、業界幹部らは、自動車セクターが2年連続で最大の売上牽引役になると考えているようだ。ただし、人工知能(AI)セクターが自動車セクターを猛追している。

収益予測と、セクターの順位

業界幹部らは、業界の堅調な成長を予測している。近い将来の売上拡大を予想する幹部の割合は85%で、前年の64%から大幅に増加した。ただし、こうした楽観的な見方にもかかわらず、「10%を超える急速な売上成長率」を見込む幹部の割合は、前年の半数から、今年は40%と、わずかに減少している。

「自動車」セクターは2年連続で首位の座を守り、半導体業界の主要な牽引役としての地位を維持した。KPMGによれば、車両のコンピュータ化と電動化が、引き続き半導体需要を押し上げているという。

かつて上位を占めていた「無線通信」セクターは3位に後退し、「クラウド/データセンター」および「IoT」と、その座を分け合った。一方、「AI」セクターは大きく順位を上げて、重要な収益牽引役の2位にランクインし、前回2位の「無線通信」に取って代わった、とKPMGは述べている。

AIの重要性と、戦略上の優先事項

KPMGによれば、半導体の需要推進役としてのAIの重要性はますます高まっているという。

KPMGによれば、半導体の需要推進役としてのAIの重要性はますます高まっているという。

AIの重要性が急上昇したことは、業界ダイナミクスに大きな変化が起きていることを示している。マイクロプロセッサー、とりわけAIに使用される製品は、将来の業界成長にとって極めて重要な製品販売機会として浮上している。

戦略面では、今後3年間における半導体企業の優先事項のトップ3のひとつとして、生成AIの実装が躍り出た。人材の育成や維持と、サプライチェーンの回復力も重視されている。

人材に関する懸念と戦略的対応

人材をめぐる激しい競争が続いている。

人材をめぐる激しい競争が続いている。

人材は引き続き最も差し迫った問題であり、幹部らは、技術的専門知識に対する需要の高まりを意識している。重視される戦略として、サプライチェーンの回復力よりも、人材の育成と維持が優先されている事実は、業界が熟練労働力の育成に真剣に取り組んでいることを示している、とKPMGは述べている。

この課題をさらに増幅させているのが、新興の半導体企業を相手にした人材獲得競争の激化だ。こうした状況に対応するため、半導体企業は、大学との提携を進めたり、価値提案を強化したり、リモートワークやハイブリッドワークが可能な勤務体系を採用したりしている、とリポートには書かれている。

在庫予測と新興技術

半導体の過剰在庫に対する懸念は高まっているが、幹部のうち19%は、AIなどの新興技術が需要を下支えすると予測している。今後4年間は成長が続き、過剰在庫が生まれることはないと考えているようだ。

ただし、業界で生産能力の過剰に対する懸念が起きている現状は、効果的な在庫管理戦略の必要性を強調している。

今後の展望と期待

2024年はじめに公開予定の『Global semiconductor industry outlook for 2024』リポートは、以上のような洞察や半導体業界の展望について、さらに詳しく掘り下げている。

今回の調査結果は、半導体業界の牽引役としてトップを維持してきた自動車が、AIという手強いライバルに直面している現状を明らかにするなど、業界ダイナミクスに大きな変化が起きていることを示している。また、人材の獲得と育成が依然として重要課題になっているだけでなく、急速に変化する技術環境で在庫の課題に対処する必要性も生じている、とKPMGは指摘している。

この記事は、VentureBeatのDean Takahashiが執筆し、Industry DiveのDiveMarketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。