排ガス浄化触媒 (メタルハニカム触媒・ペレット触媒)

排ガス浄化触媒 (メタルハニカム触媒・ペレット触媒)

田中貴金属の「排ガス浄化触媒」

田中貴金属工業は1995年から排ガス浄化触媒の製造・販売を開始。
数百社に及ぶ多用途のお客様に100万L以上の触媒を販売し、長期に渡ってご使用いただいております。

排ガス浄化触媒の概要

排ガス浄化触媒導入によるメリット

〇地球温暖化・気候危機対策

温暖化係数の高い揮発性有機化合物(VOC)を温暖化係数の低いCO2とH2Oとして排出します。また低温(約350℃)でVOCを分解除去することで、バーナー等直接燃焼(約800℃)による排ガス浄化に比べて使用する燃料が格段に少なくなり、ランニングコスト低減と燃料の燃焼に伴うCO2発生を抑制し、地球環境に対する負荷を減らすことができます。

〇作業環境・工場等周辺環境の改善

揮発性有機化合物(VOC)の中には、極めて微量であっても強い臭気や有毒性のある物質が数多く存在します。そうした物質を低温で完全に分解し作業環境を改善するために、高密度セル設計のできるメタルハニカム触媒が活躍します。

〇VOC排出規制への準拠

環境に悪影響を与える揮発性有機化合物(VOC)削減を目的として、各国にて様々なVOC排出規制が施行されています。メタルハニカム触媒を適用することで、大気汚染防止に基づく様々な規制に準拠することが可能となります。

〇装置のコンパクト化・低コスト化

触媒の性能が優れるほど、少ない触媒量、低い温度での装置設計が可能となります。これらはそのまま装置のコンパクト化、汎用材料が適用できることによる装置の低コスト化へつながります。広い展開面積を有するメタルハニカムに高性能触媒をコートしたTKKのメタルハニカム触媒は、少ない触媒量で高い触媒性能を実現します。

適用分野別の排ガス成分浄化特性

触媒適用分野の例

各分野名をクリックすると専用のページをご覧いただけます。


  • 化学プラント

  • ガスエンジン発電システム

  • 燃料電池発電システム

  • エナメル電線製造装置

  • 滅菌処理

  • フィルム製造ライン

表中の青字箇所をクリックいただくと特性等のデータをご覧いただけます。

主な被毒・劣化の種類 被毒・劣化のメカニズム 影響 対応・対策
水蒸気 水素・メタンなど分解ガスによっては酸化分解反応がやや高温へシフトする。
濃度にもよるが、飽和湿度以下では劣化としての影響はほとんどない。
ゴミ ホコリ
断熱材の破片
カーボン
触媒の表面へ物理的に付着。
少量の場合、当該物質を取り除けばほとんど影響はない。


・エアーブロー、水洗浄などで付着物を除去
・定期的に触媒出口温度600℃以下での空焼き
タール カーボンが主成分であるが、SやSi、P化合物などを含んでいるケースが多く、それらが劣化の要因となる。
また多量に付着した場合、触媒の閉塞やタールが一気に燃焼することによる触媒の溶損へつながる可能性がある。
・触媒交換(貴金属回収)
・定期的に触媒出口温度600℃以下での空焼き
・再生処理の検討
硫黄化合物 触媒上で酸化されSOX及び硫酸成分となって触媒を劣化させる。
分解ガス成分に応じて毒性は異なり低濃度の場合は影響が少ない場合も多い。
メタン燃焼などにおいては強い毒性を示す。
高濃度の場合は、腐食成分によってハニカムを腐食させる場合もある。
・水洗浄
耐硫黄被毒触媒の適用
・触媒交換(貴金属回収)
ハロゲン化合物 フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などの化合物。
当該物質が活性点へ吸着し反応温度が高温へシフトする。
塩酸などの無機酸の場合は、腐食なども伴い劣化の影響が強い。
(ハロゲン被毒の例)
・触媒交換(貴金属回収)
・前処理触媒の設置
・再生処理の検討
有機シリコン化合物
有機リン化合物
有機金属化合物
触媒を劣化させる代表的な物質。
Ptなどの触媒活性点上でSiO2、P2O5といった化合物を形成することで触媒を被覆し性能を低下させる。
(シリコン被毒の例)
・触媒交換(貴金属回収)
前処理触媒の設置
再生処理の検討
・シリコン対策触媒の検討
熱劣化 高温(600℃以上)などへさらされることによって、微細なPt粒子が凝集し、活性点が少なくなって触媒劣化を起こす。
また1000℃以上の高温へさらされた場合、メタルハニカムの変形等が発生し、セルの閉塞や隙間が空くことによる性能低下も懸念される。
・触媒交換(貴金属回収)
弊社触媒の耐熱特性

排ガス浄化触媒製品サポート

触媒購入前に触媒が適切に機能するか確認するためのテスト触媒の投入、テスト触媒の分析、現地での排ガス浄化テスト、ご使用触媒の活性確認、劣化時要因分析など触媒に関するさまざまな技術サポートを行っております。

テスト触媒の設置・分析

数種類の触媒をテスト設置し、一定期間後取り出し触媒機能を確認することで、最も適した触媒を選定することが可能となります。また最新の分析装置を用いて、設置された触媒の状態に関するさまざまな分析を行っています。

現地での排ガス浄化テスト

実際に排気されているガスを一部分岐し、触媒に通風させテストすることで、事前に実ガスでの浄化性能を確認することが可能です。

触媒設置に関するアドバイス

現地で触媒を適切に組み込むためのアドバイスをさせて頂きます。

触媒劣化要因調査

触媒機能が低下した際に、触媒の活性や劣化要因についての分析調査を行っています。

触媒の設置場所やサポート内容によってはご対応できない場合もございます。詳しくは弊社へお問い合わせください。

田中貴金属のトータルソリューション

触媒開発(貴金属系触媒)

多彩な貴金属原料、多くの開発実績、充実した製造技術、分析評価技術を組み合わせ、貴金属に特化した排ガス浄化触媒、改質触媒、PROX触媒、CO2有効利用触媒の他、お客様のニーズに合った触媒開発を進めています。

受託生産(貴金属系触媒)

お客様が開発した貴金属系触媒と当社の多彩な貴金属原料、充実した触媒製造技術とを組み合わせ、低コストでの触媒製造を目指します。

内容によってはご対応できない場合もございます。詳しくは弊社へお問い合わせください。

リサイクル

弊社の高い抽出技術によって使用済み貴金属触媒から貴金属を回収、精製することが可能です。また回収精製された貴金属を再利用することで、新規に購入する触媒コストを低減することができます。