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Niclas Rolander, ©2018 Bloomberg L.P.

地下にも広がる、電気自動車の静かなる革命

  • 環境
2019/1/9

(Bloomberg) — グローバル市場を縦横無尽に獲得していく電気自動車は、縦と横だけでなく、深さにも目を向けている。スウェーデンの鉱山機械メーカーのEpiroc ABは、地下採掘用の機械を5年以内にすべて電化することを目指している。

同社は先日、製品の新しいラインナップを発表した。その中に含まれている「地下での採掘に向けた最大の電池式自動車」という触れ込みの42トントラックは、発破した岩石を狭いトンネル内を通って輸送することができる。この製品は、ドリルリグやローダーと共にEpiroc ABの移動式掘削機の最新シリーズに含まれ、鉱山業者のガス排出を減らし、エネルギーコストを削減できるように設計されている。

ディーゼル燃料の使用を減らせれば、業界にとってはコスト面に多大なメリットが生じる可能性がある。なぜなら、地下鉱山のエネルギーコストの40%は、巨大な換気システムを稼働させ、汚染物質をトンネルから排出するために費やされているからである。鉱業の電化は先月、業界ロビー団体である国際金属・鉱業評議会(International Council on Mining and Metals)からさらなる後押しを受けた。同団体は、地下でのディーゼル排気による影響を2025年までに最小化することを計画している。

「当社は来年、18トンローダーの製造と、電池オプション付きの中型ドリルリグの提供を開始する予定です」と、Epirocの地下採掘機械部門の責任者に任命されたサミ・ニーラネン氏は、スウェーデンのエレブルーでコメントした。

Northvolt AB製の電池パックを採用しているEpirocによると、電池式自動車の購入時にかかる初期費用は、従来型車両の約2倍になる。燃料やエネルギーのコストは抑えられるため、増額分は長期的には相殺されるものの、高額な初期投資のために顧客が購入を思いとどまってしまう可能性もある。売上アップに向けた取り組みの一環として、Epirocは、新型車両用の電池はリースで別途提供する予定だ。これにより、同等の機能を備えたディーゼル機械と比べ、新製品の初期費用は若干高額になる程度で済む。

さらに大きく、さらに重く

今回の新しい電気自動車は、最初のモデルよりも大きく、さらにパワフルになっている。Epirocの最初のモデルは2016年に発売され、ブラジルの採掘会社であるNexa Resourcesなどの顧客に採用された。Epirocは2013年から電化に取り組んできたが、売上に占める新製品のシェアは、今のところわずかな規模にとどまっている。まだ高額な換気システムが設置されていない新しい鉱山や拡張中の鉱山に、同社は最大の期待を寄せている。

同じくスウェーデンのストックホルムを拠点とするライバル会社、Sandvik ABは、電気ケーブルで給電するタイプの車両を既に数百台納入しており、独自の電池式機械を送り出す計画も持っている。世界の地下採掘機械の売上は、これらの北欧企業が独占しており、そのシェアは合計で市場の4分の3に達している。両社の競合相手は、米国のCaterpillar Inc.と日本の小松製作所だ。

国際金属・鉱業評議会(International Council on Mining and Metals)は、2040年までに、温室効果ガスを排出しない露天掘り用の車両を実現することも目指している。ただし、電気自動車に移行するまでには、まだ長い道のりがある。

大量の岩石を積載して急勾配の斜面を上り、地中から外へ出るためには、現行の電池では供給できないほどの電力が必要になる。そのため、電動式のトラックを架線により送電網に接続するトロリーシステムが、再び関心を集めるようになった。

スウェーデンの採掘会社であるBoliden ABは、CaterpillarのトラックとABB Ltd.の電力インフラを使って鉱石をアイティク(Aitik)から輸送するプロジェクトを実施している。アイティクは、スウェーデンで最大の露天掘り銅山である。

(経営幹部のコメントと第1段落の詳細内容を更新)

この記事の担当記者の問い合わせ先:Niclas Rolander(ストックホルム、nrolander@bloomberg.net)

この記事の担当編集者の問い合わせ先:Anthony Palazzoapalazzo@bloomberg.net)、Tara PatelElisabeth Behrmann

©2018 Bloomberg L.P.

 

この記事はBloombergのニコラス・ローランダーが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

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