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新しいiPhoneは、リサイクルされたレアアースでつくられる

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Razvan Franco Nitoi

アップルは2019年9月、新型の「iPhone 11」シリーズに搭載される「タプティック・エンジン」に、リサイクルしたレアアースを使用するよう製造者に求めたと発表した。
タプティック・エンジンとは、iPhone 11、11 Pro、11 Pro Maxの触覚フィードバック(タッチパネルを振動させてボタンを押したようなリアルな感覚を再現する機能)を動作させるもので、アップルが開発した技術だ。Apple Watchにも搭載されており、誰かが手首をタップしているような感覚を生み、ユーザーをあまり邪魔せずに通知することができる

タプティック・エンジンには、最新モデルのiPhone 11に含まれるレアアース全体のうち25%が使われている。ここで言うレアアース(希土類元素)とは、元素周期表に含まれる希土類17種のことを指す。
そうしたレアアースは、特殊な磁気的特性や光学的特性、電気化学的特性を持ち、兵器や家電などをはじめとする製品に使用されている。

レアアースが米中貿易戦争の要因になったのは、レアアースの世界全体における埋蔵量の大部分が中国にあるためだ。アップルがリサイクルされたレアアースの使用を決めたのは、環境に対するコミットメントの一環であると同時に、入手が困難になりうる原材料だということを認めたという意味でもある。

それにもかかわらず、アップルの環境・政策・社会イニシアティブ担当副社長を務めるリサ・ジャクソンは、アップルがリサイクル・レアアースを使うことは貿易摩擦とは「関係がない」と発言。代わりに、同社の環境問題に対する実績を強調して次のように述べた

「リサイクルされたレアアースを使うのは無理だ、そんなことはできないと言われてきた。しかし、それが可能であることを私たちのiPhoneは証明している。アップルがすべきことは、一度も成し遂げられていないことを可能にするイノベーションを起こすことだ。そして、市場におけるアップルのスケールとサプライヤーとの関係を活かして、そのイノベーションを世界のために前進させることだ。私たちは、ディテールに至るまで、イノベーションを生み出している」

原材料の元素をリサイクルすれば、環境に貢献できる。レアアースの再利用は、原材料の採掘と加工の必要性を減らし、環境にダメージを与えるスピードの緩和につながる。

今回のニュースに先駆けて、アップルは2018年10月末、再生アルミニウムを使用したMacBook Airを発表した。さらに2019年9月には、新型iPadApple Watchの筐体が初めて、100%再生アルミニウムを使用して製造されたことを明らかにしている。

この記事はDigital Journalに掲載され、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。