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貴金属:自動車産業の持続可能な未来に貢献

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sarayut
貴金属は、急成長している自動車産業にとって重要なマテリアルとなっています。貴金属は、電子機器の集合体とみなすことのできる電気自動車や、水素をエネルギーとして使用する燃料電池車などの先進的なモビリティの発展に貢献しています。
自動車産業は、よりスマートで低燃費の製品に移行し続けているため、採用される貴金属部材も増加していくことが予想されます。ハイブリッド車で考えてみればおよそ3万3,000個もの部品があり1、さまざまな種類の貴金属が含まれているほか、アルミニウムや銅などの金属がよく使用されています。ロジウムやパラジウムなどの貴金属が、自動車排ガス浄化装置に用いられていることは知られていますが、これはほんの一例に過ぎません。 その一方で、高需要の材料は、サプライチェーンが混乱しやすい状態にあります。半導体をはじめとした重要な部品が不足していることからも分かるように、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが、自動車産業に新たな課題を突き付けています。資源争奪が意味することは、自動車産業は貴金属を含むさまざまな材料の調達方法を慎重に検討しなければならないということです。 これらの材料のリサイクルおよびリユースを優先するテクノロジーサプライヤーは、さまざまな固有のメリットを提供しています。これには、資源の有用性向上や、より持続可能な実践などが含まれ、消費者の信頼感を植え付けて、企業の社会的責任の基準を満たすのに役立ちます。

1 TANAKA産業事業グローバルサイト、https://tanaka-preciousmetals.com/jp/elements/article21/

貴金属:自動車産業の技術革新にともない


プラチナやパラジウム、ロジウムを含む、世界で採掘される白金族金属のほとんどは、自動車用途で使用されています2。これらの貴金属は長年にわたり、内燃機関の駆動装置に使用されています。これには、点火プラグの白金・イリジウム合金線や、燃料噴射装置の銀・白金ペーストなどが含まれます。これらと同じ部材の多くが今では次世代車両の進歩に大きな影響を及ぼしています。こういった部材が用いられるデバイスには、以下に示すものが含まれます。

電気自動車:

  • モニターおよび警報装置のLED
  • シートセンサーおよびエアバッグ
  • ブレーキ摩耗検知センサー
  • ミリ波レーダー
  • リアウインドウデフォッガー
  • レバーコンビネーションスイッチ
  • LED表示素子
  • ディスプレイ用ドライバーIC

プラグインハイブリッド車:

  • エンジンコントロールユニット
  • IGBT
  • AC/DCコンバーター用ハイブリッド集積回路
  • インバーター
  • CMOS車載カメラ

燃料電池車:

  • 燃料電池セルスタック

2 Business Insider「2040年の自動車産業で貴金属が「重要素材」になるこれだけの理由」2019年2月6日

将来に向けた循環:将来の成長を促進するリサイクル

多くの材料と同じように、貴金属の資源も有限です。リサイクルはすでに、貴金属のサプライチェーンに必須の機能となっています。先見性のあるサプライヤーは、これらを「都市鉱山」から抽出しています。「都市鉱山」とは、企業や消費者が日々、廃棄している電子機器をはじめとした膨大な量の廃棄物です。考慮すべき主な統計データの一部を以下に示します。

6,800

  • トンの金が「都市鉱山」に存在3

100万台の携帯電話から回収できる貴金属:

  • 3万5,000ポンドの銅
  • 772ポンドの銀
  • 75ポンドの金
  • 33ポンドのパラジウム4

3 国立研究開発法人物質・材料研究機構、IAA、https://www.nims.go.jp/news/press/2008/01/p200801110.html(2008年1月11日)

4 Recycling Today「Electronic scrap processors see profits, despite decline in precious metals」2021年6月27日

貴金属:持続可能なエネルギーソリューションを促進する要素

貴金属は、自動車メーカーが排ガス基準および持続可能な開発目標を達成する上で、ますます重要な役割を果たしています。例えば、ボンディングワイヤは半導体とリチウムイオンバッテリーの主要部材です5。ボンディングワイヤは、バッテリー電池の電極を母線に接続するものです6。 そのほかの主な技術は以下のとおりです。

燃料電池触媒:


燃料電池電気自動車(FCEV)は、特に商用市場で人気が拡大しています。ゼネラルモーターズ、ヒュンダイ、トヨタ、およびホンダを含む、複数の大手自動車メーカーは、今後数年以内にFCEVを開発する計画を発表しました7。燃料電池触媒は貴金属が用いられており、燃料電池の化学反応を促進するために不可欠な材料です。燃料電池触媒の最新の進歩の中には、コスト削減と効率性向上をもたらすものもあります。例えば、田中貴金属工業(以下、田中貴金属)は最近、産学官との連携で白金・コバルト合金水素極触媒を開発しました。この触媒は、電解質膜の劣化の原因となる過酸化水素の発生を約50%削減します。

排ガス浄化触媒:


排ガス浄化触媒は、有害である可能性のある排ガスを水と二酸化炭素に分解することによって浄化する装置です。プラチナやパラジウムなどの貴金属を母材に適用し、ハニカム構造を作ります。有害である可能性のある排ガスがこれらの材料を通過すると、化学反応によって浄化されます8

5 Business Insider「EVシフトが進む自動車産業で田中貴金属が果たす重要な役割とは?」2021年11月15日

6 同上

7 We are the Mighty「Hydrogen fuel cells could be the future of the military (and everyone else)」2022年1月5日

8 Business Insider「中国産業界に貢献する“メイド・イン・ジャパン”の高性能触媒…田中貴金属が持つ技術の強みとは?」2021年2月25日

今日そして明日のサプライチェーンを確保


最近の半導体チップの不足は、強固なサプライヤー関係を構築し、価格、可用性、および持続可能性を念頭にソリューションを開発するテクノロジープロバイダーと連携する必要性を強めています。田中貴金属は、サプライチェーンネットワークとマテリアルソリューションを確立し、産業界において継続的なイノベーションを実現したいと考えています。 これには、調達から加工、そしてリサイクルに至るまで、資源サイクル全体におよぶ包括的なソリューションが含まれます。

多様なソリューション

田中貴金属は、以下の8つの貴金属元素をベースにした専門知識と製品を有しています。
  • プラチナ
  • パラジウム
  • ロジウム
  • イリジウム
  • ルテニウム
  • オスミウム

写真:田中陵二 貴金属ライブラリー

田中貴金属は、世界中から材料を継続的に入手できるようにグローバルネットワークを構築しています。。同時に研究開発に関する専門知識は、最近の受賞と燃料電池触媒に関する取り組みを含めて、新しい技術を市場に導入する上で極めて重要になっています。

リサイクルの専門知識とセキュリティ


田中貴金属は引き続き、リサイクル事業を伸ばしていきます。一例として、回収された自動車用排ガス浄化触媒からプラチナやパラジウムなどを精製しています。さらに精製した貴金属を材料として新たに製品にし、循環させる仕組みをもっています。このレベルのリサイクルには、高度な技術的専門知識と信頼が必要です。田中貴金属は、機密性が高いというEスクラップの性質に敏感です。都市鉱山が、価値の高い知的財産にあふれた「秘密の塊」であるということを理解しています。機密性を確保するために、回収した材料のセキュリティにコストをかけています。
技術が進歩することによって、今後都市鉱山からの金属リサイクルは難しくなると考えられています。しかし戦略の中心にリサイクルの提案ができる各事業部門の連携が強みです。田中貴金属は、リサイクルによる精製および材料開発に関与している、世界でも数社しかいないメーカーです。当社の研究開発部門は、次世代の貴金属の導入と材料回収方法を常に優先できるように、合金その他の材料開発の動向に追随しています。また、リサイクルが難しいとされる白金族金属を精製する技術も持ち合わせています。 分析能力、精製技術および加工法、製品の多様性といった、貴金属リサイクル事業を成功させる3つの側面を組み合わせることによって、田中貴金属は持続可能でコスト効率に優れたソリューションを提供し、今日そして将来の自動車産業に貢献します。 そのほかの参考情報

EVの未来について


EVに関する消費者調査から明らかになったことと、それがメーカーにもたらす意味について。

貴金属マテリアルと自動車の未来:信頼編


車両の快適さと安全性の向上に貴金属がどのように貢献しているかについて。

貴金属マテリアルと自動車の未来:環境編


環境規制が強まる自動車において、貴金属がどのように使用されているかについて。

原著はIndustryWeekの英語版で、Endeavor Business Media, LLCの提供で再版されています。 この資料の英語以外の言語への翻訳は、非英語話者の便宜を図ることのみを目的としており、翻訳は必ずしも正確でない可能性があります。 Endeavor Business Media, LLC は、翻訳におけるいかなる誤り、省略、または曖昧さに対して責任を負いません。 翻訳されたコンテンツを頼る個人または組織は、自己責任で行うものとします。