expand_less
Pavel_Korr

東京理科大チーム、光触媒反応で有機廃液を浄化しつつ水素も効率的に生成

  • マテリアル
2020/5/7

鉄サビの一種がもつ光触媒反応を利用して有機廃液を光で浄化すると同時に、水素も効率的に生成できるという新しい方法を発見したという研究結果が発表された。

水素は、燃料電池の燃料として期待されている。燃料電池とは、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換する電気化学電池だ。水素燃料電池では、水素を燃料電池の負極(アノード)に通し、酸素を正極(カソード)に通すことで電気を取り出す。アノード側では、水素分子が電子と陽子に分かれる。

水素燃料は、(酸素で燃焼するゼロエミッション燃料として)大きな関心を集めている。だがその生産技術の開発は、安全性の問題に阻まれている(水素は非常に燃えやすいにもかかわらず、水素貯蔵容器から漏れる危険性がある)。さらに、十分なコスト効率を得るのに十分な量の水素を確保することは困難であることが実証されている。

水素の生産方法のひとつとして、太陽エネルギーを利用するやり方がある。光を利用して、水分子を酸素ガスと水素ガスに分解する方法だ。

東京理科大の研究者らは、鉄サビの一種「オキシ水酸化鉄(FeOOH>)」の光触媒反応を利用した

この研究によると、水銀キセノンランプ(紫外光)を光源とする光の照射を使い、オキシ水酸化鉄を光触媒にした場合の水素の生産量は、同じ光のもとで酸化チタンを光触媒として使用した場合と比べて、最大で25倍になったという。

Rust never sleeps in Grodzisk Mazowiecki Poland.

(このプロセスで不可欠なのは、生成した水素ガスと酸素ガスを分離することだ。これらの気体を即座に分離しないと、酸素と水素が混ざって水素燃料の生産量が減少するか、爆発の危険が生じる。この問題を解決するため研究グループは、最適な実験条件をつくり出すことに成功した。これは、メタノール水溶液とガスクロマトグラフィー質量分析法技術を応用することで実現したものだ。)

A fuel cell. The actual fuel cell stack is the layered cube shape in the center of the image.

この成果は、環境保護主義者たちの興味をかき立てている。持続可能なエネルギープロセスにつながる多くのプログラムにとって、水素燃料の生成は不可欠だからだ。さらに、有機廃棄物を浄化する際に水素が発生するのであれば、効率的なクリーンエネルギー産業の実現に二重の意味で役立つだろう。

この成果は学術誌「Chemistry – A European Journal」に発表されている。研究論文のタイトルは、「Hydrogen Production System by Light‐Induced α‐FeOOH Coupled with Photoreduction」だ。

この記事は、Digital Journalが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。