CVD/ALD用貴金属プリカーサー
次世代半導体に向けた高純度貴金属プリカーサの開発
さらなる微細化と耐久性の向上が求められる半導体産業において、ルテニウム(Ru)プリカーサーの成膜速度の向上によりコストの低減と高品質化を図り、半導体が切り開く新たな先進技術の開発に貢献してまいります。
CVD = Chemical Vapor Deposition (化学気相成長法)
ALD = Atomic Layer Deposition (原子層堆積法)
プリカーサー開発・提供
当社ではRuを中心に、様々なCVD/ALD用プリカーサーを開発しております。さらに半導体用の薄膜を作製するためのCVD装置、薄膜を評価するための各種分析機器 (FE-SEM、AFM、XRF等) を取り揃え、目的に応じたプリカーサーを提供します。
■プリカーサー製品例 (Ru)
Product Name | Appearance |
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DCR Ru成膜用高純度プリカーサー |
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Rupta Ru成膜用酸素フリープリカーサー |
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TRuST Ru成膜用高蒸気圧プリカーサー |
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半導体のさらなる微細化に向け、より低抵抗で耐久性が高いRuに期待が高まっています。また、トランジスタのゲート用電極やDRAM のキャパシタ用電極などでも、優れた特性を持つRuの検討がなされています。
Ru成膜用高蒸気圧プリカーサー:TRuST
液体Ruプリカーサーで世界最高水準の蒸気圧値を実現
従来の液体Ruプリカーサーに比べて蒸気圧を100倍以上*に高めたCVD/ALD用プリカーサーです。スマートフォンおよびPC用や、今後さらなる需要が見込まれるデータセンターで使用される半導体の高性能化・省電力化に貢献します。
*常温下における当社内評価による実験値
■特長
- 室温程度でも高い蒸気圧を示します。
- 反応ガス(水素、酸素など)で容易に分解し、低抵抗なRu膜が成膜できます。
- 小さな分子のため基板表面への吸着効率が良く、高い成膜速度が得られます。
- 段差被覆性に優れ、微細な高アスペクト比の構造にも深部まで均一に成膜できます。
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プリカーサーの蒸気圧比較
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TRuSTを使用したALDによるRu薄膜
■TRuSTを用いた2段階のALDプロセス
酸素と水素による2段階のALDプロセスにより基板の酸化防止と高品質かつ低抵抗な極薄膜を実現
TRuSTによる2段階成膜プロセス
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1段階目:H2によるRu成膜
水素成膜によって下地の表面酸化のリスクが低減 -
2段階目:O2によるRu成膜
酸素成膜によってRuの純度をほぼ100%に保つ高純度の成膜 -
先に水素成膜で下地を形成することで、その上の酸素成膜によるRu膜も平滑で緻密となり、従来以上の低抵抗値を実現
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1段階目:H2によるRu成膜
水素成膜によって下地の表面酸化のリスクが低減 -
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2段階目:O2によるRu成膜
酸素成膜によってRuの純度をほぼ100%に保つ高純度の成膜 -
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先に水素成膜で下地を形成することで、その上の酸素成膜によるRu膜も平滑で緻密となり、従来以上の低抵抗値を実現
- 2段階成膜プロセスにより、極薄膜領域でも緻密で低抵抗なRu膜を成膜できます。
- 各プロセスは同じ原料と成膜温度で実施されるため、プロセスコストや設備投資コストの低減に貢献します。
2段階成膜の断面SEM画像