活性金属ろう材

活性金属ろう材

活性金属ろう材製品外観と活性金属ろう材/銅 複合材のプレスサンプル

様々なセラミックスを接合できます。

酸化物系、窒化物系を問わず、種々のセラミックスをメタライズなしで、ろう付可能です。
銅材に活性金属ろう材を複合化した材料も提供しており、パワーデバイス用セラミックス回路基板やヒートシンク等の放熱部材への適用が期待されます。

活性金属ろう材

特長

  • 活性金属ろう材は、ろう材にTi(チタン)を添加することで、一般的なろう材では接合不可能な、セラミックスを直接ろう付することができるろう材です。
  • アルミナなどの酸化物系セラミックスをはじめ、窒化ケイ素やカーボンなどもろう付することができます。
  • Sn(スズ)を添加した独自の合金成分により、ろう材に添加されたTiを微細に分散させています。これにより、板厚50umTの提供が可能となりました。

板材の断面組織

  • 活性金属ろう材(板材)の従来材の断面組織- AgCuTi合金
    AgCuTi合金
    AgCuマトリックス中に粗大なCuTi化合物が存在している
  • 活性金属ろう材(板材):TKC-661の断面組織- AgCuSnTi合金
    AgCuSnTi合金
    SnTi化合物が細かく分散しているために、薄板の製造・供給が可能

種類

製品名 主成分 (wt%)
Ag Cu Ti Sn
TKC-661 66 29.5 1.5

物性値

製品名 TKC-661 (比較対象)
BAg-8
比重 9.7 10.0
固相線 (℃) 745 780
液相線 (℃) 780 780
硬度 (HV) 113 90
引張り強さ (MPa) 356 294
ヤング率 (GPa) 85.0 97.0
線膨張係数 (×10-6/℃) 18.6 17.1
熱電伝導率 (W/mK) 102.0 311.0
セラミックスの接合 ×

製品形態

形状 寸法
線径0.2mm以上
板材 板幅:120mm以下
板厚:0.05mm以上

活性金属ろう材の製品形態。板材と線

接合事例

  • アルミナ同士の接合事例
    アルミナ同士の接合
    830℃ 真空中でろう付
  • 窒化ケイ素同士の接合事例
    窒化ケイ素同士の接合
    830℃ 真空中でろう付

4点曲げ試験結果(アルミナ)

試験片外観
[4点曲げ試験結果(アルミナ)]4点曲げ試験片外観、4点曲げの破断後試験片

破断強度測定結果

BAg-8とTKC-661の4点曲げ試験破断強度比較グラフ
4点曲げ試験破断強度比較

BAg-8(メタライズ処理)は接合界面破断、活性金属ろう材を用いた場合は母材破断が観察された。
活性金属ろう材を用いた接合で、十分な強度が得られることを確認。

断面観察SEM

ろう接合界面のEDX面分析結果:Al2O3

ろう接合界面のEDX面分析結果:Al2O3の断面SEM

セラミックスとろう材の界面にTiが層を形成している。
Ti層とアルミナの界面では、Al-Ti-Oからなる化合物層を形成されていると推測。

活性金属ろう材/銅 複合材

活性金属ろう材/銅 複合材のプレス個片
左:複合材(銅側)
右:複合材(活性金属ろう材側)

パワーデバイスにおける放熱分野への活用や次世代ヒートシンクへの貢献

銅(Cu)材の片側に活性金属ろう材を複合化(クラッド)した製品です。
セラミック ス(酸化物、窒化物、炭化物)や炭素素材など任意の材料にダイレクトに接合することができるため、 パワーデバイス用セラミックス回路基板や次世代ヒートシンクへの適用が期待されます。

特長

  • 性能向上
    -高放熱のヒートシンクで要求される、既存工法のエッチングでは困難なセラミックへの厚いCu材の電極形成ができ、さらに配線のファインピッチ化が可能
    -溶剤を含まない材料であるため、残渣がなく、接合信頼性が向上
  • コスト低減
    -ろう材の厚みを 10µm以下で形成可能なため、従来の活性金属ろう材に比べ銀地金のコストを半分以下に抑え、ろう材熱抵抗を半減
    -Cu材が複合化されているため、材料をセットするだけでパターン形成ができ、プロセスコストの削減が可能
  • 環境負荷低減
    -溶剤を含まない材料である為、VOC(揮発性有機化合物)が発生しない
    -ろう付時間が大幅に短縮されることで省エネルギーとなり、環境負荷低減も期待できる

~高放熱化の実現と工程削減の両立が可能~

提案工法による基板モデル

[提案工法による基板モデル] 上からSiチップ、はんだ、銅、活性金属老材、Sin or AIN、活性金属ろう材、銅、冷却装置

  • ・パワーデバイス市場
  • ・EV や HV などの環境型自動車市場
  • ・高出力レーザーダイオード市場
  • ・次世代ヒートシンク市場   への貢献
  • さらなる高出力化や高効率化が求められ、それに伴う発熱量の増大で、各部材において高放熱・高耐熱・接合信頼性を持ち、さらに小型化にも対応する材料開発が急務
  • このためCu板を厚くすることが求められる
  • 本製品は厚いCu材への電極形成が可能で、エッチングを使用しないことにより接合信頼性が向上する本製品は、⾼放熱化への貢献が期待できる

本製品による工程削減ご提案

本製品を利用した製造工程を動画でご紹介いたします。

ヒートサイクル試験結果

ヒートサイクル試験のサンプルろう材。TKC-661 0.02mm

■サンプル詳細
・ろう材:TKC-661 0.02mm
・Cu   :0.8 x 30 x 30mm
・Si3N4 :0.32x 31 x 31mm
・Cu   :0.8 x 30 x 30mm

-50℃~175℃のヒートサイクル試験において、 1,500サイクル以上の耐久性を示すことを確認

ヒートサイクル試験結果。1,500サイクル以上の耐久性を示す。

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